【コラム】WALK TO THE DREAM-4 理念遂行は成功の一歩

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 いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆昇格・降格

 今年もまた、日本サッカー界では「昇格」と「降格」が交錯した。プロ野球などにはない、サッカーの醍醐味(だいごみ)の一つかもしれない。僕はセレッソ大阪と湘南ベルマーレのフロントとして、J1とJ2の間で昇格は3度、降格は2度経験した。

 2005(平成17)年、当時J2の湘南に来て、クラブの理念をつくり、その理念に合わない選手は容赦なく切った。スター選手もごっそり抜けた。サポーターの大好きな選手を切ったことで、僕の横断幕が掲げられた。「大倉怨念」という横断幕だ。しかし、信念を曲げずにやり続けて、少しずつ成績が出た時、批判的だったサポーターから「間違ってました」と声を掛けられた。09年に10年ぶりにJ1に昇格した時の話だ。

 理念を遂行し、結果がついてきた初めての成功体験だった。こういうサッカーをするためにはこういう選手を獲得し、こういう選手はいらないというスタイルを貫き、結果が出た。これで間違いないと思えた。11年に再びJ2に降格したが、12年に若手のチームで昇格。13年に降格するも14年に記録的な成績でのJ2優勝で昇格すると、15年は残留し、チームの歴史に新たな1ページを刻んだ。

 落ちたらすべてが終わりではない。降格した時ほど理念、カルチャーが試される。いわきFCは「魂の息吹くフットボール」という理念を持ちながら、カルチャーを作っている。カルチャーを大事にした方が結果はついてくる。

 今年のコラムは今回が最後。1年間、いわきFCを応援していただいたことに感謝申し上げたい。来年はアカデミーが誕生し、クラブハウスも完成する。監督や社長が誰であろうが、決して変わることのないクラブの中に永遠に残る「血」をつくる大事な1年になる。応援をお願いします。

おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、昨年12月から現職。47歳。