【コラム】WALK TO THE DREAM-6 目指すものを一番理解

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 いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆田村新監督

 いわきFCのサポーターの皆さんが、今一番僕に聞きたいことは「田村雄三新監督を起用した理由」ではないか。今回は、その「理由」を話したい。

 僕はコラムで、今年は100年続くクラブを作り上げる上で不可欠なカルチャーを築く年になると話してきた。カルチャー作りには、われわれが目指す「魂の息吹くフットボール」と経営を一体化させることが求められる。外部にも監督をやりたい人間はたくさんいたが、目指すフットボールを一番理解している人間が強化・スカウト本部長を務めた田村であり、田村自身が監督に意欲を持ったことが決め手となった。

 田村は湘南ベルマーレで活躍した元プロサッカー選手。現役時代は中盤でチームのために自己犠牲する選手だった。一人で走り、戦い、自分の役割をしっかりと全うした。いわきFCの監督としても、チームのためにそれぞれの選手が何ができるかを常に選手に求めていくと思う。

 田村はどんな不条理なことがあってもへこたれず、前向きで明るい。しかも、公平で謙虚だから、選手の信頼は厚く、現役時代は選手会長だった。僕が湘南の強化部長に就いた年と、田村が中大から湘南に入った年は同じでよく話をした。膝を7回くらい手術しても故障を隠し、ボロボロになるまでプレーした。最後は僕が難しいと判断し、フロント入りを誘った。だいぶ年下だが、彼への尊敬の念があった。

 サッカーを見る目は僕よりもある。成長する選手を見極める目利きもできる。そして、何よりもフットボールから絶対に逃げない男であることを明言したい。僕も経営側と現場とを一体化させるため総監督に就いた。田村が良い監督になるよう、しっかりとサポートしていきたい。

おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、一昨年12月から現職。47歳。