ひたむきに駆ける姿...『人生』描く 演劇「走る」・いわき公演

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人生をひたむきに駆け抜ける日本人の姿を描いた演劇「走る」=9日、いわき市・いわき芸術文化交流館「アリオス」

 脚本家の倉本聰さんが主宰する劇団「富良野GROUP」の最後の舞台となる演劇「走る」は9日、いわき市のいわき芸術文化交流館「アリオス」で県内最終公演を迎え、役者が縦横無尽に走り続けるという荒っぽさの中に、ひたむきさや人間味などを表現した舞台が大きな感動を呼んだ。いわき公演は福島民友新聞社の主催、アリオスの共催、県、県教委、同市、読売新聞東京本社福島支局などの後援。東日本国際大・いわき短大の特別協賛。

 ひたむき「絆忘れず」 熊耳慶さん、県民に勇気

 いわき市のいわき芸術文化交流館「アリオス」で9日に県内最終公演を迎えた倉本聰さん脚本の演劇「走る」。郡山市出身の熊耳(くまがみ)慶さん(54)=富良野GROUP=ら40人の役者がひたむきに走る姿は、観客に人が生きることの意味を問い掛け、観客は登場人物に自らの人生を投影した。エキストラとして参加した男性50人も戦後日本の復興を支えたサラリーマン役を好演し、県内最終公演に花を添えた。

 終幕後のカーテンコールで鳴りやまない拍手が、観客の感動の大きさを物語った。カーテンコールでは、拍手が降り注ぐ中、出演者の一人として熊耳さんが登場し、倉本さんらとともに観客の思いに応えた。

 数々の倉本作品に出演してきた熊耳さんだが、「走る」は初出演で、マラソンを走る盲目の娘に伴走する父親役を演じた。先月27日の郡山公演に続き、いわき公演も難役をこなした熊耳さんは「郡山、いわきとカーテンコールの拍手の『熱さ』に感動した」と故郷の舞台に立つことができた喜びを語った。

 舞台で、熊耳さんが演じる父親が盲目の娘と自身をつなぐひもを手にしながら「このひもは絆だ」と叫ぶ場面には、震災、原発事故からの復興を願う故郷へのエールを込めた。「絆は何よりも大切なものであり、絆を忘れずに復興のために頑張ってほしい」。舞台を走る出演者の中で、最高齢の熊耳さんは、倉本さんが「時のマラソン」と呼ぶ過酷な舞台への挑戦を通して、復興の道を歩む県民を勇気づけた。

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