「投票入場券」準備遅れ 衆院選、期日前投票開始に届かぬ恐れ

 
衆院選の選挙事務に追われる会津若松市選管委事務局=29日午後9時ごろ、会津若松市

 10月10日公示―22日投開票の衆議院解散総選挙に向け、県内市町村の各選管も走りだした。ただ選管によっては、投票所入場券が期日前投票開始日までに間に合わないなど急な選挙日程の影響が出始めている。投票率の向上やトラブル防止―。選挙の適正な執行に神経をとがらせる各選管は"休日返上"で準備を急いでいる。

 会津若松市選管委員会事務局の担当者は29日夜も忙しそうに事務に追われた。

 同選管によると、投票所入場券の準備が遅れているという。入場券が有権者に届く流れは、経費を補正予算として確保した後、入場券を印刷し、郵送となる。

 業者も資材から準備するため四苦八苦状態、さらに体育の日もあるなど多数の要因が重なって遅れる見込み。担当者は「なんとかスムーズに投票できるよう頑張りたい」とした。

 郡山市でも有権者への投票所入場券の交付が遅れる見通しとなっている。急な解散で印刷などが間に合わないためで、同市選管は「日程が決まっている通常の選挙とは状況が違い公示前の交付は困難。多くが公示後に届くことが予想される」とし、対応を急いでいる。

 いわき市選管は、「選挙のお知らせ」やポスター掲示板などの発注に着手した。10日投開票で市長選を終えたばかり。担当者は「通常は3、4カ月かける作業を短期間でやらなければならない。間に合わせるしかない」と休日返上で準備に当たるという。また、期日前を含む投票所で延べ700人以上必要となる選挙立会人の確保に苦労しており担当者は「急なので予定が入っている人もいる。何とか数日のうちに確保しないと」と切羽詰まった様子で語った。

 入場券なしでも投票可

 県選管によると公選法では投票所入場券の交付義務はない。ただ投票場所や日程が記載され、投票所での本人確認にもなる。入場券がなくても投票できるが、交付が間に合わない場合は「投票を啓発する何らかの対応が必要」とした。