福島県内、希望どう動く 野党構図は不確定、自民組織引き締め

 

 衆院選は10日の公示まで3日で1週間に迫った。県内5小選挙区には3日現在、前職8人、新人9人の計17人が立候補を表明。対決の構図は固まりつつあるが、野党は小池百合子東京都知事の「希望の党」や枝野幸男氏の「立憲民主党」の新党の行方など不透明な部分が多い。各陣営は野党再編の動きなど、刻一刻と変化する情報を見極めながら、選挙準備を進める。

 自民党は前職の亀岡偉民氏(1区)、根本匠氏(2区)、菅家一郎氏(4区)、吉野正芳氏(5区)と新人の上杉謙太郎氏(3区)の5人が立候補を予定する。県連は野党再編や有権者の反応に神経をとがらせながら態勢を整える。1日には県内各支部長、幹事長を集めた会議を開き、選対組織態勢を確認。新党への危機感を背景に、選挙区選対の幹部には県議会議長経験者や建設団体のトップらを配置、組織の引き締めを図る。

 民進党公認での立候補を予定していた前職の金子恵美氏(1区)、玄葉光一郎氏(3区)、小熊慎司氏(4区)、吉田泉氏(5区)と新人の岡部光規氏(2区)の5人が希望の党に公認申請する意向を示しているが、公認決定には至っていない。民進党県連と最大の支持母体・連合福島は新党の公認候補を支援する方針を決めた。各陣営はポスターや選挙カーなどの準備の遅れに気をもみつつ、街頭演説などに臨み、支持を訴える。

 2014(平成26)年の前回、衆院選比例東北で初めて2議席を獲得した公明党は、前職の真山祐一氏を擁立し議席死守を期す。今回から定数が1減(13)となることから厳しい戦いを想定、連立を組む自民との連携を強化する。

 民進党と希望の党との合流で、野党共闘が頓挫した共産、社民両党も危機感を強め、「反自民」「反希望」を鮮明にする。共産党は新人の斎藤朝興氏(1区)、平善彦氏(2区)、橋本健二氏(3区)、古川芳憲氏(4区)、熊谷智氏(5区)の5人を擁立。社民党や枝野氏の新党「立憲民主党」との共闘も見据えながら、原発ゼロなどの政策の浸透を目指す。

 社民党は新人の渡辺敏雄氏(4区)、遠藤陽子氏(5区)が立候補を予定する。民進党の立候補予定者と結んでいた政策協定を「白紙」に戻す方針を決定。支援団体と連携し、改憲阻止など党の政策をアピールする。