福島1区、野党「共闘」へ 民進と共産、候補者一本化を検討

 

 10日公示、22日投開票の衆院選で、民進党県連と共産党県委員会は4日、無所属で福島1区から出馬する前職の金子恵美氏(52)について、候補者一本化も含め野党共闘に向けた協議に入った。ただ、共産党は1区に新人の斎藤朝興氏(74)の擁立を決めており、公示まで残り1週間を切った中での調整には不透明な部分が多い。

 金子氏は希望の党から公認を受ける意向だったが、安保法制の白紙撤回や憲法改正反対などを主張する自身の考えとは「大きな違いがある」として無所属での立候補を決断。自民前職の亀岡偉民氏(62)と争う上で安保や憲法などの面では共産党と共闘できる部分もあり、民進党県連が共闘を水面下で打診したとみられる。

 全国的には、希望の党を軸とした結集に反発している共産党は、希望の党の公認を受けずに無所属で小選挙区から立候補する民進系候補者について、対抗馬の擁立を見送る動きもある。民進党県連は共産党県委員会との協議とともに、希望の党との合流で福島1区の政策協定が「白紙」となった社民党県連にも再び共闘を呼び掛ける方針だ。

 福島1区の野党共闘については、市民団体「ふくしま県市民連合」が求めている。4日に県庁で記者会見した市民連合の那須稔雄共同代表(山形大名誉教授)は「早急な政党間の話し合いと候補者の一本化を希望している」と話した