【衆院選・最前線ルポ】総力与党に背水共闘 無党派層浸透へ懸命

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 安倍政権に対する評価が問われる第48回衆院選は県内の5小選挙区に17人が立候補、22日の投票に向け、与野党が序盤からつばぜり合いを見せる。震災復興の在り方や風評・風化対策、人口減少への対応などさまざまな課題を抱える本県の未来を占う。各陣営の思惑が交錯する短期決戦の最前線を追った。(敬称略)

 秋風が吹き抜ける福島市のJR福島駅前。女性が選挙掲示板に貼られた2人のポスターに見入っていた。

 定数1の小選挙区制導入後、福島1区で初の一騎打ち。公明が支援する自民候補と野党共闘候補が相対する激戦区は、2人の前職がそれぞれの支持層を固めながら、しのぎを削る。

 公認申請せず

 「このたび、無所属で立候補させていただきました」。公示後、民進系前職の金子恵美は街頭演説で「無所属」を強くアピールした。希望の党に公認申請せず、背水の陣で戦う決断をしたことが、県内5小選挙区で唯一、昨年の参院選と同じく民進、共産、社民による野党共闘の選対組織につながった。

 「思想信条を貫いた姿勢に共鳴する声が多い。無所属で立候補したことで、保守層の支持も得られやすくなった」。選対本部長で民進党県連幹事長の亀岡義尚(54)は、比例重複立候補による復活当選の可能性がなくなり、政見放送もできないなど無所属での不利は自覚しながら、共闘の強みを強調。「反自民・反安倍の一点で共闘することが安倍1強を倒す何より大きな力になる」と熱く語った。

 実績と政策訴え

 「偉民さんは比例復活でも当選できるよね、という考えが有権者に浸透するのが一番危険だ」。自民前職の亀岡偉民陣営の幹部は危惧する。亀岡自身も野党共闘の動きを強くけん制した。11日に福島市内4カ所で行った個人演説では「安倍政権を倒すためだけの野合だ。思想も政策も違う人たちが一緒になって何ができるのか」と声を張り上げ、復興や東京五輪の実績と政策を訴えた。

 党本部も「自公対野党共闘」の福島1区を注視する。公示日に首相が第一声を放ち、13日には党筆頭副幹事長の小泉進次郎が応援に入るなど与党、党公認候補の強みで野党共闘を迎え撃つ。選対本部長で元県議会議長の斎藤勝利(73)は「復興を進めるには与党議員が不可欠だ。負けるわけにはいかない」と力を込める。

 前回は5000票差

 亀岡(自民)、金子(民主=当時)と共産新人の3人が立候補した2014年の前回衆院選では、10万2950票を獲得して3選を果たした亀岡に、金子が5000票差まで肉薄して比例復活当選した。共産党候補は約1万6000票を得ている。今回、解散から公示直前まで続いた野党再編の激しい動きが有権者にどう受け止められたのかも含め、無党派層の動向が鍵を握る。