【衆院選・最前線ルポ】支持動向揺らぎ注視 市長選余波どう影響

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 震災の爪痕が残るいわき市と双葉郡を抱える福島5区。復興相の自民前職に元復興副大臣の希望前職、共産、社民両新人が挑む構図で、4候補とも復興施策の訴えが熱を帯びる。保守分裂となった約1カ月前のいわき市長選の余波や野党再編のあおりもあり、支持動向が揺らぐ。(敬称略)

 一体感づくり腐心

 「被災地はいまだ有事だ。復興相として復興に全力を尽くす」。自民・吉野正芳は11日に楢葉町で演説、復興加速にリーダーシップを発揮する姿勢を強調した。

 10日の出陣式では「教育してくださった坂本先生の恩に報いたい」と引退を表明した元経済産業副大臣・坂本剛二への謝辞から切り出し、融和を演出した。吉野と坂本は選挙区での党公認争いを繰り返し、いわき市長選でも再選した現職と、返り咲きを狙った元職に支持が割れた。

 市長選の総括を巡り市議ら双方の支持者間で緊張が高まっていただけに、陣営は関係修復と一体感づくりに腐心する。選対本部長の県議青木稔(71)は「総括は衆院選後だ。党として必ず支持層を一本化できる」と自信をのぞかせた。

 再編へ理解求める

 「福島第1原発の廃炉を進めることが復興の大前提だ。民進党より現実的な野党を育て、政権交代を果たす」。希望・吉田泉は13日に広野町での演説会で、野党再編に理解を求めた。

 吉田は比例東北で繰り上げ当選、国政復帰から2カ月余りでの選挙戦に加え、直前で民進から希望に移る急展開をたどった。副選対本部長の県議古市三久(68)は「支持者に戸惑いはあるが、安倍政権打倒では一致している」と述べた。

 希望からの出馬により、いわき市では支持層に変化も出ている。10日の出陣式では希望から比例東北に立候補した元職・宇佐美登(50)が吉田と並んでマイクを握った。宇佐美は市長選で約3万6千票を獲得、陣営内では支持拡大につながるか影響を注視する。

 浸透を図る2新人

 共産、社民両新人の陣営は安倍政権批判を前面に打ち出す。共産・熊谷智は子育て世代として原発ゼロや消費増税中止を主張。党いわき・双葉地区委員長の佐藤敏彦(61)は「草の根で支持が広がり、かつてない手応えを感じる」と期待する。社民・遠藤陽子は原発事故による避難者の立場から脱原発と護憲を訴える。党県連副幹事長の佐藤龍彦(65)は「希望に抵抗がある支持層の受け皿として浸透を図る」と戦略を語る。