いわきFC、市民に勇気 「ドリームチャレンジ」FC東京と熱戦

 
試合後、横断幕を手に大勢の観客に感謝を伝えるいわきFCとFC東京の選手=14日午後、いわき市・いわきグリーンフィールド

 スポーツを通じた復興や地域振興を目的とした「いわきドリームチャレンジ2016」が14日、いわき市で開幕し、新たに誕生した真夏のスポーツの祭典に大勢の市民が参加した。初日は、サッカーJ参入を目指すいわきFCとJ1のFC東京とのチャリティーマッチが行われ、いわきFCの選手がJ1のトップチームに挑む姿は、復興への道を歩む市民らを勇気づけた。

 市制施行50周年記念連携事業として実施。「夢に向かってともに歩もう」と銘打たれたチャリティー試合では、いわきグリーンフィールドに詰め掛けた2082人の観衆が白熱した試合を見つめ、攻守に好プレーを繰り広げる選手たちに声援を送った。

 試合は序盤から、いわきFCが相手陣内に攻め込み、何度も得点機を演出。しかし、ゴールを奪えず、次第に若手中心のFC東京のペースとなり、前半30分に先制を許した。後半は途中出場のGK大野将弥選手の好セーブなどで猛攻をしのぎ、カウンターからの速攻で得点を狙ったが、試合終了間際に2点目を奪われ、0―2で敗れた。

 試合には敗れたが、いわきFCの選手たちはスタンドを埋めた観衆の前での熱戦に確かな手応えをつかんだ。主将の古山瑛翔選手は「このような大勢の前での試合は県社会人2部リーグの開幕戦以来で、貴重な経験ができた。21日の天皇杯全日本選手権県代表決定戦決勝の福島ユナイテッドFC戦に向けた良い準備ができた」と話した。

 試合後、互いの健闘をたたえ合いながら、フィールドを歩く両チームの選手に観衆から大きな拍手が送られた。中央台南小5年の児童(10)は「いわきFCに勝ってほしかった。これからも地元チームとして応援していきたい」と興奮冷めやらぬ様子で語った。

 チャリティー試合を含め、同イベントの収益の一部は復興支援金として、「県東日本大震災ふくしまこども寄付金」などに寄付される。同イベントとして今後、同市の21世紀の森公園で、県内外の高校サッカー強豪校が集う「アンダーアーマーチャレンジカップ2016」(17~19日)、全国各地の小学生野球リーグの代表チームが参加する「アンダーアーマーカップ」(19~21日)が開かれる。