いわきFC果敢に...終了間際、会心の同点弾 天皇杯サッカー県予選

 
【福島ユナイテッドFC-いわきFC】後半、いわきの高野が相手DFをかわし同点弾を放つ=会津若松市・あいづ陸上競技場

 9連覇を狙う福島ユナイテッドFC(J3)と初優勝を目指すいわきFC(県社会人リーグ2部)が公式戦で初対戦した21日の第21回県選手権大会・第96回天皇杯全日本選手権県代表決定戦決勝。福島に9連覇達成の瞬間が訪れようとしていた後半41分、いわきのDF高野次郎が放ったシュートがゴールをとらえた。チームやサポーターを奮い立たせる会心の同点弾。「無意識だった」。高野はスタンドに向かって走り出し、大きくガッツポーズした。

 高野はJリーグで戦う相手に接戦を勝ちきる力の差を見せつけられ「経験値が違った」と話したが、「遠い存在ではない」と手応えを感じ取った。試合では打点の高いヘディングで空中戦を制し、強いフィジカルで相手の攻撃陣をはね返し、守備でチームを支えた。

 いわきのペースで試合が進む中、相手に先制を許したが「焦りはなかった」。その後も堅実な守備と積極的な攻撃参加でチームを鼓舞。同点を狙い後半30分ごろにはFWにポジションをチェンジ。「得点を決める」との覚悟が好機を呼んだ。

 同41分、FW菊池将太のパスを受け、1人をかわした。「左から相手が来たのが見えた」と、冷静にゴール右隅に流し込んだ。

 敗れはしたが悲壮感はない。将来にわたって対戦する相手を前に「まずは日本フットボールリーグ(JFL)昇格を目指す」とチームの成長を誓った。