いわきFC、成長「さらに先へ」 県社会人リーグ2部V、全国との戦い本格化
将来のJリーグ昇格を掲げるいわきFCが2日、県社会人サッカーリーグ2部の優勝を決め、創設1年目にしてまた一つの栄冠を手にした。
成長を続けるチームは今後、今年最大の目標とする日本フットボールリーグ(JFL)昇格に向けて全国の強豪社会人クラブとの戦いが本格化する。「ここは通過点。さらに先を目指す」。優勝を勝ち取った選手はすでに、次の目標に向けて歩み始めている。
「この優勝には満足していない。いわきFCはもっと上のレベルにいかなければいけないチームだ」。試合後、静かに試合を見守っていたピーター・ハウストラ監督(49)は語った。
創設1年目にもかからわず有望な選手や監督、コーチ陣が集い、県社会人サッカーリーグでは対戦相手を圧倒する戦いを見せてきた。まだ2試合残るものの、ここまでリーグ戦は全勝。創設当初は大学チームに敗戦を喫するなど課題もあったが、Jリーグチームも上回ると評価される徹底した選手のフィジカル(身体)強化のシステムや、ハウストラ監督の下で進んだ選手の一体化などでチームは大きく成長した。
JFAアカデミー福島出身で主将を務める古山瑛翔選手(22)は「経験不足などの課題はあるが、身体的、精神的に、自分自身もチームも格段に成長できた」と話す。
天皇杯全日本選手権県代表決定戦の決勝ではJ3の福島ユナイテッドFCに敗れたものの、9月には敵地でJ2のザスパクサツ群馬と練習試合を行い4―1で勝利。自信はさらに深まった。
まずはJFL昇格 今月8日には全国クラブチーム選手権大会、そして21日にはJFL昇格へとつながる全国社会人選手権大会が開幕し、今度は全国の舞台で強豪クラブとの戦いが始まる。
先発出場し、ゲームキャプテンを務めた高野次郎選手(22)は「(2部)優勝は決まったが、チームにはJFL昇格という目標がある。ピーター(ハウストラ監督)のサッカーをチームで体現し、全国の舞台で自分たちの力を試したい」と次を見据えた。
◆サポーター祝福と期待
優勝を決めたこの日の試合には、地元いわき市などからサポーターが詰め掛け、優勝を祝福した。
いわき市から訪れた本多滋さん(61)は「創設1年目でここまでの結果を残してくれたことは素直にうれしい」と選手に大きな拍手を送った。福島市の梅津季夫さん(45)は「3月のトレーニングマッチから比べると、選手もチームも大きく成長した」と振り返り、「これからは全国の強豪クラブとの試合もある。少しでも多く勝ち進んでほしい」と期待を寄せた。
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