いわきFC、怒とう12発でWell―B熊本破る 全国クラブチーム選手権大会

 
【Well―B熊本―いわきFC】前半28分、ロングパスに反応し、自身2点目を決めるいわきFCのFW佐藤(右)=紀の川市桃源郷運動公園陸上競技場

 サッカーの第23回全国クラブチーム選手権大会第1日は8日、和歌山県紀の川市の同市桃源郷運動公園陸上競技場などで1回戦8試合が行われ、Jリーグ参入を目指す東北代表のいわきFC(県社会人リーグ2部)は九州代表のWell―B熊本(熊本県)を12―0で破り、全国大会での初勝利を果たした。いわきFCは9日、和歌山市の紀三井寺公園球技場・補助競技場で行われる準々決勝で、北信越代表のアルティスタグランデ(長野県)と対戦する。午後1時開始予定。

 素早いタックルとパス回し、36本のシュートを放つなど、試合を終始支配したいわきFCが大勝した。

 いわきFCは前半4分、左からのクロスに頭から飛び込んだFW佐藤がネットを揺らして先制。その後も攻撃の姿勢を崩さず、FW植田などのゴールで、前半で6―0とした。

 後半はFW菊池が3得点を挙げ、MF井原がチーム12点目のゴールを決めるなど開始から約20分間で6点を奪い、勝利を決定づけた。

 本県2選手絆で初得点

 いわきFCの全国大会での初得点は本県出身の2選手が演出した。FW下重優貴(矢祭町出身)のクロスから、ダイビングヘッドで先制点を決めたFW佐藤令治(喜多方市出身)は「連戦の初戦で、早い時間に点を取れて試合のリズムをつくることができた」と胸を張った。

 サイドバックを本業とする佐藤はこの試合FWとして先発。「裏への抜け出しやクロスに入ったりすることを意識した」と果敢に相手ゴールに迫った。先制点をはじめ、ロングパスに反応し、相手GKの頭上を越える鮮やかなループシュートを決めるなど3得点の活躍を見せた。

 チームの全国大会初得点を挙げた佐藤、正確なクロスで先制ゴールをアシストした下重の2人は小学5年ごろからの盟友で、県トレセン、中学、高校時代はJFAアカデミー福島で共にボールを追い掛けた。「令治がどういうプレーをするか分かっている。決めてくれると信じていた」と下重。佐藤は「下重がどのタイミングでクロスを上げるか分かっているし、ドンピシャでした」と、下重のパスをゴールに結び付けた。

 社会人となって再び同じチームに所属し、全国の舞台で戦う2人は「優勝を目指す」と口をそろえ、全国制覇を力強く誓った。