いわきFC『全国初制覇』 クラブ選手権V、JFL挑戦に弾み

 
全国クラブチーム選手権で優勝し、スタンドのサポーターに感謝を伝えるいわきFCの選手ら=11日、紀三井寺公園陸上競技場

 サッカーの第23回全国クラブチーム選手権大会最終日は11日、和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場で決勝が行われた。Jリーグ参入を目指す東北代表のいわきFC(県社会人リーグ2部)は関西代表のルート11(大阪府社会人リーグ1部)に9―0で快勝、チーム始動1年目で全国の各都道府県社会人リーグ所属チームの日本一に輝いた。同大会での優勝は県勢初で、タイトル獲得は県社会人リーグ2部などに続くチーム六つ目。

 いわきFCは前半7分、FW吉田知樹のゴールで先制すると、その後も得点を重ね、前半で3―0とした。後半は、FW菊池将太がハットトリックを記録するなど大量6点を挙げた。ピーター・ハウストラ監督(49)は「大会の中で一番良い試合をして、チャンピオンになれたことは素晴らしい」と話した。

 いわきFCは今後、日本フットボールリーグ(JFL)への昇格につながるサッカーの全国社会人選手権大会(21日開幕、愛媛県)に出場。初戦は22日に行われ、札幌蹴球団(北海道)と対戦する。

 フィジカル強化が成果

 「日本のフィジカルスタンダード(身体的強さ)を変える」。いわきFCの理念の一つは、"後半に強いチーム力"に表れている。

 一流のコーチによるウエート、体幹トレーニングに時間を費やし、選手の体重、体脂肪などを管理。選手の体の状態に応じ、プロテインなどの摂取時間も考え、フィジカル、スタミナの強化に重きを置く。この取り組みは試合を重ねるごとに徐々に形となっている。

 全4試合のうち3試合で後半に前半を上回る得点を奪った。相手は各地の予選会を勝ち抜いた強豪だが、いわきFCは豊富な運動量で試合を支配。相手との差は試合が進むにつれて顕著になり、後半の強さはいわきFCの運動量が落ちないことの証しといえる。

 JFL参入につながる全国社会人選手権では、さらなる強豪と対戦することとなり、いわきFCの真価が問われる。