いわきFC決勝へ 天皇杯サッカー県予選

 
【いわきFC―メリー】後半16分、右足で貴重な追加点を奪ったいわきFCのFW高柳〈11〉

 サッカーの第22回県選手権大会・第97回天皇杯全日本選手権県代表決定戦は2日、相馬市の相馬光陽サッカー場で準決勝1試合が行われ、前回大会準優勝のいわきFC(県社会人リーグ1部)が2―0でメリー(東北社会人リーグ1部)を下し、前回大会優勝の福島ユナイテッドFC(J3)と対戦する決勝進出を決めた。

 いわきFCは菊池将や平岡などFW陣を中心に果敢にゴールを狙ったが、引いてゴール前を固めるメリーの守備を崩し切れず、苦しい展開に。しかし前半ロスタイム、相手DFにゴール前で倒され獲得したPKで、平岡が冷静に右足で決めて先制した。

 後半16分には、後半出場のFW高柳がMF金からの右クロスを右足で合わせ、勝利を引き寄せた。

 2年連続で同じ顔合わせとなる決勝は9日、福島市のとうほう・みんなのスタジアムで行われる。午後1時5分開始予定。

◆新戦力高柳貴重な追加点

 足のけがから復帰したいわきFCの新戦力FWが後半からピッチに立ち、わずか出場16分でゴールネットを揺らした。高柳昂平は「監督の期待に応えられて良かった」と笑顔を浮かべ、勝利の余韻に浸った。

 天皇杯県予選4回戦でハットトリックを達成し、強烈なデビューを飾った高柳だったが、その後の練習で左ふくらはぎを打撲。準々決勝はチームに帯同せず、別調整で出番を待った。

 相手守備陣の堅い守りで膠着(こうちゃく)状態が続く中、ロスタイムにPKを決めて前半を折り返すと、田村雄三監督は後半最初から高柳ら3人を一気に投入。守備的に戦う相手の体力消耗を見越した策だったが、高柳は監督の思惑通り積極果敢にゴールを狙い、前半のチームシュート数と同じ9本を一人で重ねた。

 チーム1の点取り屋の先輩FW菊池将太を「菊さん」と慕い、「菊さんのように、いつでもどんな時でも決められる選手になりたい」と語る発展途上の背番号11。延長で惜敗した昨年の福島ユナイテッドFCとの決勝の悔しさは知らないが、高柳は「相手を意識せず、1本を確実に決める」と闘志を見せた。