【コラム】WALK TO THE DREAM-13 ワクワクする一流の体

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 いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆見た目

 選手が、チームが、ピッチで輝きを放ち、感動を与える。人はその感動に対価を払う。魅力ある選手がいるか、応援したくなるチームかどうか。スタジアムは「演じる」場所であって、そこに「フィジカルスタンダード」をプラスすることで興行がより魅力あるものになる。

 大リーグレンジャースのダルビッシュ有とか、プロ野球日本ハムの大谷翔平を生で見たことがあるが、一瞬で「こいつには勝てない」と思うぐらいに体が大きい。「やばい」と思わせるような、見た目の印象が大切ということだ。

 見るからに迫力があって腕っぷしが良さそうな選手がピッチに現れる。「演じる」前に、ただ出てきただけでなにかしてくれそう、というワクワク感が生まれる。いざ演じればパフォーマンスも抜群で、観客は自分にはできない世界に「お金を払う価値はある」となる。どんなプレーをして観客を楽しませるか、たとえ負けても「見て面白かった」と思わせることがスポーツの興行だろう。

 いわきFCが目指すプレースタイル「魂の息吹くフットボール」の体現に欠かせない「フィジカルスタンダードを変える」というのは、ただ勝利するためだけではなく、90分間攻撃し続けるサッカーを見せて、観客を楽しませるという狙いもある。

 チーム本格始動後、選手の体重は増え、体脂肪が減る中で筋肉量は増えている。練習のうち6割がドームのノウハウを生かした体づくりで、残りをボールを使ったトレーニングに充てる。この1年間で選手の見た目も大きく変わってきた。引き締まったその姿が試合前から相手を圧倒し、観客は「なにかしてくれそう」という期待感を持つ。フィジカルスタンダードは興行の大きな要素でもある。

おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、一昨年12月から現職。47歳。