【コラム】WALK TO THE DREAM-14 地域社会密着で成長

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 いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆愛されるチーム

 いわきFCは「いわき市を東北一の都市にする」というビジョンを掲げている。数万人規模のスタジアム建設をまちづくりのきっかけにするなど、スポーツの持つ価値を最大限に引き出しながら市民のチームとして成長させる。実現のためには、「感動」や「満足」という目に見えない商品をどのように「マネタイズ(収益化)」していくかが重要で、スポーツ産業をゼロから育てる新たな挑戦だ。

 形のない商品を扱うスポーツビジネスは、難しいからこそやりがいがあって、「+α」の新しい価値、新しい市場を生み出し収益を上げていく仕組みを作っていかなければ長続きしない。マネタイズすることを後回しにして、機運や思いだけで生まれたチームが意外と多いが、収益を上げなければ、選手の給料も払えないし、施設に投資もできない。勢いだけではいずれ息詰まってしまう。

 地域密着で「われらがチーム」のようなロイヤルティー(愛着)を育むこともマネタイズといえる。いい例が長野県松本市などを本拠地にした松本山雅FC(J2)だ。スタジアムはホーム側のスタンドがチームカラーの緑色一色に染まるほどで、地域リーグ時代から松本山雅サポーターのチーム愛は有名だった。16年度にJ2に降格したが入場料収入(26日発表)は5億2800万円でJ2最多、J全体でも12位を維持している。

 松本山雅のように、地域に根差したチームを作るにはホームタウンはむしろ広域じゃなくてもよかったりする。いわき市に置き換えて考えると、人口30万人規模は本拠地として十分。スポーツが持つ価値を最大限に引き出して、老若男女に愛されるチームを育てながら将来のスタジアム経営に結びつける。マネタイズを成功させて、地域社会に密着しながら成長していく。

おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、一昨年12月から現職。48歳。

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