いわきFCパーク、地域経済活性へ新モデル 商業機能を併設

 
チームカラーの赤を基調とした外観が印象的なクラブハウス=いわき市

 いわきFC(県社会人サッカーリーグ1部)を運営する、いわきスポーツクラブ(大倉智社長)は10日、いわき市常磐上湯長谷町釜ノ前に国内初の商業施設複合型クラブハウス「いわきFCパーク」をオープンさせる。選手を支えるチームの拠点は、市民に開放して集客力を高め、地域経済に刺激を与えるという新たなモデルの構築を目指す。

 クラブハウスは、同クラブの親会社ドームの物流センター「ドームいわきベース(DIB)」と、昨年11月に完成した人工芝の専用グラウンドに隣接する場所に整備された。

 建物は鉄骨3階建て、延べ床面積4360平方メートル。練習や活動拠点となる基本機能に加え、ドームが扱うスポーツ用品ブランド「アンダーアーマー」の直営店や東北初出店の飲食店、英会話教室、最新のトレーニングジムなどの商業機能も併設した。グラウンド側はガラス張りで、飲食やトレーニングを楽しみながら、選手の練習風景などを見ることができる。地域全体でスポーツを盛り上げ、利用者同士が楽しみながら交流する場所を提供する。

 スポーツ施設を核にしたまちづくりで、地域経済を活性化させる欧米型の都市再開発がモデル。チームや商業施設で新たな価値を創造して収益を生み出し、スポーツ観戦にとどまらず、人が訪れる地域交流の場、新たな観光拠点としての機能も持たせる。

 10日は施設内に入居する9店舗のうち同クラブが運営するカフェなど4店舗が先行開業。入居店舗がそろう7月15日に全面開業を迎える。大倉社長は「多くの人に集まってもらえる場所を創ることが大事。まずは足を運んで、いわきFCを知ってもらいたい」と話す。

 「いわき市を東北一の都市にする」というビジョンを掲げて2015(平成27)年に誕生した、いわきFCが新たな一歩を踏み出す。