【いわきFC・勝つ理由】走力で観客魅了 数値化で強化策検討
「いわきFCの試合って面白い」。サッカー天皇杯でJ1クラブと対戦中、インターネットのSNS(会員制交流サイト)には、いわきFCの選手の動きに目を見張ったサッカーファンの書き込みが相次いだ。
観客を楽しませ、チームに目を引き付けることを勝利と同様に重要視するいわきにとって、選手一人一人の走力は大きな武器だ。
天皇杯3回戦で今月12日に対戦したJ1の清水エスパルス戦。先制点を奪って守りを固めた清水に対し、いわきは相手陣営を切り崩そうと長い球を使ったり、左右の切り替えで球を前線に運ぶなど揺さぶりをかける戦法に活路を求めた。前半の中盤、FW菊池将太(24)が放ったシュートのこぼれ球に駆け上がったMF植田裕史(22)が素早く詰めた展開が、いわきイレブンの動きの速さを証明する一幕だった。
試合には0―2で敗れたものの、相手の隙を突いた速い突破力で、7本のシュートに結びつけた。何度もゴールを脅かした。「応援のファンに良い報告ができなかったが、見て楽しいサッカーはできていたと思う」。FW平岡将豪(22)は胸を張った。
目まぐるしく攻守の展開が切り替わるサッカーで観客を魅了するには海外リーグに引けを取らない走力がどうしても必要だ。清水戦を経ていわきは練習に加速度計を導入した。選手の走行距離や走る速度、加速、減速を検出し、攻守で常に全力で走り続けるのに必要な要素を数値化し、強化策の検討を進める。
県レベルでは技術力の差を背景に常に攻め続け、走り続ける試合を展開できるいわき。多くの観客を集める強豪とのゲームでも同じように走り続けることができるかはこれからの強化に懸かっている。(文中敬称略)
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