いわきFC「初戦」突破 全国社会人サッカー、FW陣が4発

 
【いわきFC―エリースFC東京】前半16分、右サイドからのクロスを合わせるいわきFCのFW小野瀬〈19〉=テクノポート福井芝生広場

 サッカーの第53回全国社会人選手権大会第1日は14日、福井県坂井市のテクノポート福井芝生広場などで1回戦16試合が行われ、2年連続出場のいわきFC(東北第1代表、県社会人リーグ1部)が初戦に臨み、エリースFC東京(関東代表、関東リーグ1部)に4―0で快勝、昨年に続き2回戦進出を決めた。

 いわきは15日、同市のテクノポート福井スタジアムで、関西代表のアミティエSC京都(関西リーグ1部)と対戦する。午後1時30分開始予定。

 同大会は、来季の日本フットボールリーグ(JFL)昇格がかかる。同大会で3位(既に全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2017の出場権を得ているチームがいる場合は4位)以内に入れば、昇格への最終関門となる同チャンピオンズリーグへの出場権を得られる。

 小野瀬「FWは点取ってなんぼ」

 「前(FW)は点を取ってなんぼ。自分のやるべき役割を果たしていく」。いわきFCの高い攻撃力を支えるFW陣の一人、小野瀬恵亮はチームを勝利に勢いづかせる2点目をゴールネットに突き刺した。

 負ければ今季の究極の目標である日本フットボールリーグ(JFL)昇格が途絶える。全国から集まった猛者たちも同様で、緊張感はいわきの選手にも伝わっていた。

 小野瀬にとって全社は初めての舞台。先制点への気負いもあり、「大会独特の雰囲気に少しのまれた」と前半の入りの動きには硬さがあった。チームとしても力みが見られ動きが停滞する中、小野瀬は試合に変化を持たせようと積極的に相手ゴールに迫り、前半だけの出場でチーム最多の5本のシュートを放った。

 いわきは全29選手のうち、選抜した21選手で全社に挑んでいる。そのうちFWは小野瀬を含めて6人。この試合は前後半でFW全選手がピッチに立ち、4点を挙げた。FW陣は仲間でもあり、ライバルでもある。

 次戦は関西1部リーグを制したアミティエSC京都。「戦ってみないと分からないが、強いチームと対戦するのは良い経験になる」といわき総監督の大倉智いわきスポーツクラブ社長。いわきが誇るFW陣の一角を担う小野瀬の脳裏には、自身の活躍と勝利が浮かんでいるはずだ。