【コラム】WALK TO THE DREAM-20 必要だった精神的強さ

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 いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆2017シーズン(上)

 いわきFCの2017シーズンを振り返ると、天皇杯2回戦で清水エスパルスに負けたが、県予選決勝で福島ユナイテッドFC、本戦初戦で北海道コンサドーレ札幌に勝ち、世間に強い印象を与えたのは感じた。ただ、全社(全国社会人選手権)という今シーズン一つの目標にしていたタイトルが取れなかった原因を分析しないといけない。

 全社では普段通り力を発揮できた選手、できなかった選手がいた。スタッフにも脇の甘さがあったのかもしれないが、「JFL昇格」という飛び級が懸かる究極の緊張の中で自分の力を最大限に出せるだけの精神的な強さがなかった。選手の質は上がり、Jクラブにも通用したが全社で負けた。本当の力がどこにあるのか選手も認識しないといけないし、クラブも冷静にならないといけない。精神的な部分でまだまだだった。

 飛び級の仕組みがあったからこそ全社が注目されていたが、「いわき市を東北一の都市にする」という理念のためには東北で存在を示す必要もあるし、一歩一歩進むことに悲観はない。

 経営と現場を一体化させることで、100年続くクラブにするために欠かせない「カルチャーづくり」に動き出した1年だった。来季からの東北社会人リーグ2部、同1部でさらに土台をしっかりしていく。

 来季、米ハワイ州ホノルルで開かれる国際大会「パシフィックリム・カップ2018」に出場する。グローバルスタンダードを掲げる我々にとって、常に世界を見るいいきっかけになる。

 天皇杯県予選で決勝まで進み福島ユナイテッドFCと戦うことは、県サッカー界を盛り上げる使命だと思うし、本戦で昨年よりいい成績を残し、さらにいわきの名を広めていきたい。目の前の大会に常に全力で挑んでいく。

おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、一昨年12月から現職。48歳。