【コラム】WALK TO THE DREAM-27 海外視察(上)

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 いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆アカデミー育成術共感

 4月末から5月頭にかけて、アンダーアーマーがパートナーシップを結んでいるプレミアリーグ・サウサンプトンFCを訪問する機会があった。きっかけはサウサンプトン側からの「いわきFCと一緒に何かできないか」というお誘いだった。互いの取り組みを紹介する中で、アカデミーの育成とかマーケティングの話は非常に考え方が似ていると感じた。

 まず、スカウティングにものすごく力を入れているのが分かった。人をとるということ、つまり育てて売るという商売の中で、原石を見つけるためのデジタル化された部屋など、これだけやっているんだという驚きがあった。アカデミーも含めて10人ほどのアナリスト(分析官)がいたり、われわれがやりたいことを全部やっている感じだった。

 そんな中で特に共感したのはアカデミーの育成術。育成に定評があるのは知っていたが、実際に聞くと、いわきスポーツクラブのISAA(いわきスポーツアスレチックアカデミー)と似たものがあった。

 見せられた一枚の写真に写っていた9歳の頃の選手11人は、今では有名な選手たちだった。本来の学年よりひとつ下げてじっくり育てるなど独自の工夫をしながら、将来を見据えた育成をしてきた。これは日本にはない考え方で、そういう面でも先進国なんだなっていうことと、ISAAの考え方は間違っていないということを確信できた。

 今、われわれはアカデミーのメソッドを作っている。子どもの成長とか、子どもの身体操作性を上げるにはどうするかというのをスポーツ指導者の共通認識にできれば、早熟とか盤石も見逃さないし、楽しくスポーツをやっていける環境を与えられるだろう。いろんなスポーツ団体が一緒になって、かつベンチマークとしてのサウサンプトンを巻き込んだ育成の取り組みができれば、と考えている。

おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、一昨年12月から現職。48歳。

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