【コラム】WALK TO THE DREAM-28 海外視察(下)

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 いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆観戦の楽しみ方を発信

 サウサンプトンFCのファンクラブには67万人の会員がいる。マーケティングの面からみると、どうやってファンエンゲージメントを獲得しているのか、どういう商圏でビジネスを展開しているのか、聞きたいことが山ほどあった。

 試合観戦で感じたのが、サポーターの反応が正直だということ。ボールを前に運べるのに運ばなかったり、下げたりするとブーイングが起こる。果敢にトライするプレーには自然と拍手が起きるし、なにげないサイドチェンジが決まるとスタンドが沸く。世界のサッカーの楽しみ方を改めて感じた。

 いわきFCの試合もサウサンプトンで見たのと同じように、ファンやサポーターがサッカーを自然と楽しむ文化をつくっていきたい。サッカー観戦の楽しみ方を学ぶ講座を開くとかいろんな発信をしていかないとと思った。

 われわれが日本と欧米のスポーツビジネスを比較する時に、1995(平成7)年から2015年にかけて大きく差が開いたプレミアリーグとJリーグの売上について話す。まさにその過程を経験しているチームで、おまけにクラブ低迷期を経てプレミアリーグに復帰した経緯を持つサウサンプトンにどうファンがついていったのか、スタジアムが起因しているのかなど、プロセスが大事だと考えているので学びたい。

 今回の訪問では、東日本大震災の話にもなった。スポーツを通じて復興から成長へつなげようとしているわれわれのストーリーは、67万人のサポーターも絶対共感すると話してくれた。そうなれば、もっといわきFCのファンが増えるし、ひょっとしたらインバウンドでいわき市にサウサンプトンファンが来るかもしれない。

 将来サウサンプトンがいわきで試合をするとか、子どもと交流するとかできたらと想像するとワクワクする。

おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、一昨年12月から現職。49歳。