天皇杯へ両雄激突!いわきFC×福島U 12日・福島県代表決定戦

 
3年連続の本戦出場へ勢いに乗るいわきFC

 天皇杯サッカー県代表決定戦決勝は、4年連続同一カードの福島ユナイテッドFC―いわきFCと決まった。特別シードで決勝から登場する福島はJリーグ所属クラブの意地で、3年ぶりの県代表を狙う。社会人リーグ負けなしで勢いを増すいわきは、3連覇を目指す。令和初の天皇杯本戦出場を懸け、両チームが12日、福島市のとうほう・みんなのスタジアムで激突する。

 いわきFC「前線から圧力」

 代表決定戦2連勝という結果は過去のもの。2月に対戦したプレシーズンマッチでも5―0と圧倒したが、「勝つと思われているからこそ、今までで最も難しい戦い」と田村雄三監督(36)。Jクラブという「格上」を相手にする意識づけは変わらない。

 4月に練習試合で仙台大に大敗。敗戦は「100パーセントを出し切るプレー」という基本を選手たちに刻んだ。

 県代表決定戦準決勝では大量8得点を奪うなど、攻撃陣の状態は上向いている。新加入選手もチームに順応し始め、少ないパスでゴールに迫る展開の速さが備わりつつある。

 FW平岡将豪選手(23)は、細かい連係から好機を探る福島のパスサッカーを警戒する。「前線から圧力をかけたい。ボールを失った時の攻守の切り替えは素早く」と構想。また、「蹴らせたボールを先に拾い、相手を追い越したい」と力負けしない試合展開を強調した。

 3連覇へ向け、田村監督は「相手が上という意識を持って戦う」と引き締めた。

 福島U「攻撃的に挑む」

 対戦相手がいわきに決まったことが分かると、「絶対に勝たないといけない」と目の色を変えたDF阪田章裕主将(34)。4年連続のカードの過去3年の戦績は1勝2敗で、直近は2年連続で苦杯をなめた。天皇杯は公式戦で唯一対戦できる機会であり、2年分の借りを返し王者返り咲きを狙う福島の士気は高い。

 松田岳夫新監督(57)が就任した今季は、リーグ戦で3勝5敗(5日現在)と、年々レベルが上がるJ3の舞台で苦戦を強いられている。ベテラン勢が抜けて平均年齢24歳とフレッシュなチームは波があるが、伝統のパスサッカーは継承。MF橋本拓門選手(28)ら古株に、新加入のMF田村亮介選手(23)ら攻撃陣がうまくかみ合うと、思いがけないビッグプレーが飛び出す。

 松田監督は「スピードやテクニックに偏らない、バランスあるプレーで、攻撃的に臨む」と見据える。いわきが積極的にボールを奪いに来ると予想する阪田主将は「守備から自分たちの流れをつくり攻撃につなげたい」と語気を強めた。