【動画】若者定着へ複合的対策 福島で「地方創生」シンポ

 

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 政府の重点政策「地方創生」をキーワードに、元気あふれる福島の実現を考える「地方創生」シンポジウムは30日、福島市の県文化センターで開かれた。地方の人口減に警鐘を鳴らしてきた日本創成会議の増田寛也座長、内堀雅雄知事、開沼博福島大うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員が、地方創生と本県復興の道筋を探った。3氏は「少子高齢化への対応や復興に向け、地域資源の見直しや若者の定着につながる仕事、子育てなど複合的な対策が重要」との認識で一致。逆境を逆手に取った技術革新や人材育成などの具体策を提言した。福島民友新聞創刊120周年を記念して開催、県民や市町村長、行政関係者など約800人が来場した。リコージャパンの協賛。

 基調講演した増田氏は、全国1800市区町村のうちほぼ半数の896自治体を、人口が加速的に減る「消滅可能性都市」と位置付けた上で「子どもの出生数が死亡者数を下回る自然減と、都市部に若者が流出する社会減の二つの課題がある」と指摘。「若者世代には、いい働き場があるか、学ぶ場があるかが重要。その期待に応えられる地域が持続していく」と述べた。

 引き続き内堀知事と開沼氏が加わり、五阿弥宏安福島民友新聞社長がコーディネーターを務めたパネル討論では、内堀知事が少子化や原発事故に伴う避難などで人口が減少する中、本県の合計特殊出生率は全国で高い水準にあると説明。若者の流出防止策として「新産業を生み出すとともに、既存産業の付加価値を高めることが重要」と述べた。

 開沼氏は、人口減少や基盤産業の衰退、医療・福祉体制の崩壊などの課題は震災前から顕在化していると指摘し「格差の固定化やリスクの増大に負けない社会をつくることが重要」と語った。また、地域で活躍する若者を育てるための教育の在り方にも言及した。増田氏は、風評被害の払拭(ふっしょく)に向け、県と市町村が連携することの重要性を強調した。