大竹しのぶさん、豊川悦司さんに聞く 映画「後妻業の女」公開中

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映画「後妻業の女」より(c)2016「後妻業の女」製作委員会

 婚活大国ニッポン。独身の熟年層が新たなパートナーを探す婚活サービスが人気だ。そんな世相を背景に、高齢者の後妻に入り遺産を狙う「後妻業」を描いた映画「後妻業の女」が現在公開されている。後妻業のエース小夜子役の大竹しのぶ、裏で糸を引く結婚相談所所長柏木役の豊川悦司に、作品の見どころを聞いた。

 ―直木賞作家黒川博行さんの原作「後妻業」を実写化した。

 大竹 原作はハードボイルドだが、鶴橋康夫監督の脚本、演出によってコメディータッチになっている。現場でも思わず笑ってしまうシーンがあったが、完成した作品は想像以上にテンポよく仕上がっていた。

 豊川 シナリオを読んだだけでにやけてしまうほど、せりふが生きていて会話も面白い。

 ―小夜子、柏木ともに個性的なキャラクター。

 大竹 小夜子には「お金」という明確な目標があり、あっけらかんとしている。鶴橋監督の下、自由に演じられた。

 豊川 自分の生き方を貫きエネルギーにあふれている小夜子とは違い、最初格好を付けている柏木はどんどん崩れ、みすぼらしくなっていく。こういう情けない役は結構好き。(映画の舞台の)大阪出身で、幼いころ近所で見かけた怪しげなオジサンのイメージに近づけるように演じた。

 ―小夜子と柏木には、ビジネスパートナーと熟年夫婦の間のような不思議な関係性が感じられる。

 豊川 血縁でも恋愛関係でもないのに、強く結びついている面白い関係。離婚したベテランの夫婦漫才コンビのよう。

 大竹 小夜子にとって稼ぐためには柏木がいなければならないが、「好き」と言葉にしたら離れていってしまうことも分かっている。監督からは「1回半くらいの関係」を意識するように言われていた。

 ―劇中の2人の掛け合いも絶妙だった。

 豊川 大竹さんは刺激の塊で、2人のシーンは一番楽しかった。自分から感情を入れる必要はなく、自然に大竹さんと会話するなかで、小夜子と柏木の関係に近づけていけた。

 ―豪華キャストが次々に登場し、見応えがある。

 豊川 鶴橋組だからこそそろった顔ぶれ。みんな「濃い」キャラクターで画面に重量感があるが、作品のトーンは軽く、笑えて楽しい。

 ―小夜子と、尾野真千子さん演じる被害者の次女朋美が焼き肉屋で乱闘するシーンは痛快。

 大竹 長回しで撮ることになり、映画の現場ならではの良い緊張感があった。一発でOKが出たときは気持ちが良かった。

 豊川 あのシーン、現場にいなくて助かった。

 ―読者にメッセージを。

 大竹 とにかく笑える作品。その笑いの中に孤独と闘う高齢者の姿があり、社会の問題も映し出している。「笑えて、ちょっと怖い」映画をぜひご覧ください。

 豊川 残暑厳しい季節にぴったりの映画。登場人物たちと一緒に気持ちを動かし、楽しんでほしい。

 【「後妻業の女」あらすじ】

 結婚相談所主催のシニア向けパーティーで老人たちをとりこにする小夜子(大竹しのぶ)は、やがて元女子短大教授の耕造(津川雅彦)と結婚。しかし2年後耕造が病に倒れると、耕造の長女尚子(長谷川京子)、次女朋美(尾野真千子)に法外な葬式費用を請求。「遺言公正証書」を盾に、耕造の全財産を相続すると宣言する。実は小夜子は後妻に入って金品を巻き上げる「後妻業の女」だった。その背後には、結婚相談所所長・柏木(豊川悦司)の影があった。

◇福島県内では、郡山テアトル、フォーラム福島、イオンシネマ福島、ポレポレいわきで上映中。

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