古里への思い重ねて...和合亮一さんらトーク 未来の祀りふくしま

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2部で、古里をどう見つめているかについて話す(左から)玄侑さん、柳さん、和合さん

 福島市在住の詩人和合亮一さんが発起人のイベント「未来の祀(まつ)りふくしま」の本祀りは27日、同市の本法寺で開幕した。批評家の若松英輔さん、社会学者の開沼博さん(いわき市出身)、作家の玄侑宗久さん(三春町)と柳美里さん(南相馬市)が出演し、震災から5年が過ぎ、自分たちに何ができるか、古里をどう見つめているかなどについて、和合さんとトークを繰り広げた。

 第1部では、若松さんと開沼さんが、和合さんと「いま語りたいこと、思考のゆくえ、心のゆくえ」をテーマに語り合った。和合さんが、最近はツイッターなどで個人の意見が述べやすくなったことを踏まえ、「(インターネットの)ソーシャルネットワークなどを通じて、世の中の大きな力に個人で向き合うか、集団で向き合うか選択ができる時代になっている」と指摘。これに対し若松さんは「群れることが強いとは限らない。まずは一人になって物事を見極めてほしい」、開沼さんは「群れるのと集うのは違う。一人一人が意見や考えを持って集える場を作っていきたい」とそれぞれ意見を述べた。

 玄侑さんと柳さんが出演した第2部は、和合さんと「いま、たどりつきたいこと、言葉と物語と沈黙のはざまに」をテーマに、地元在住の作家という立場からトークを展開した。和合さんが「震災から5年が過ぎ、さまざまな分断が進んでいる。古里をどう見ているか」と問い掛け、柳さんは「生まれ故郷ではないが、南相馬の風景を愛している。コミュニティーの場として、小高に書店を開きたい」と思いを述べた。

 「古里とはやがて命が帰る場所」と考える玄侑さんは「『忘我』という言葉のように、夢中になると『私』がいなくなり、命そのものとなる。これが古里を思う気持ちと同じなのでは」と語った。

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