福島で「未来の祀り」...魂導く創作神楽 新たな伝統文化の風

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鎮魂の思いを込め未来神楽を奉納する和合さん(左)ら出演者=28日午後、福島市・福島稲荷神社

 福島市在住の詩人和合亮一さんが発起人のイベント「未来の祀(まつ)りふくしま」の本祀りは最終日の28日、同市の福島稲荷神社で、和合さんらが創作した「ふくしま未来神楽」を奉納した。震災犠牲者への鎮魂の思い、魂を導くメッセージを口上や舞で表現した。

 3作目となる神楽のテーマは「天・天・天狗(てんぐ)」。同市信夫山に伝わる天狗伝説をもとに和合さんが口上を創作した。天狗の面と緑色の装束をまとった和合さんが口上を読み上げ、小天狗として子どもたちも舞や掛け合いを披露した。和合さんらの力強い口上と舞で、新しい伝統文化の風を会場に吹かせた。

 神楽奉納に合わせ、島根県益田市の石見(いわみ)神楽神和会の神楽も上演された。石見神楽は全国で最も有名な芸能の一つ。和合さんの中原中也賞受賞をきっかけに、福島市と山口市が災害協定を締結、山口市と縁のある益田市が協力し実現した。

 上演された「大蛇(おろち)」では、須佐之男命(すさのおのみこと)が、大蛇にさらわれた娘を助けるため、退治する様子をダイナミックに表現。舞手の豪華な衣装や大蛇が火を噴く場面が、来場者を圧倒した。

 神楽上演に先立ち「神楽をめぐって」をテーマにシンポジウムも開かれた。石見神楽神和会長の三原董充さん、民俗学者の懸田弘訓さん、福島稲荷神社宮司の丹治正博さん、伊勢大御神(おおみかみ)宮司の森幸彦さんが出演。和合さんが司会を務めた。

 ほかに、石見神楽神和会と舞の道具を作るワークショップ、山木屋太鼓の奉納太鼓も披露された。

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