いわきの高3女子5人『5年分の思い』 創作ダンスを卒業前披露

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「故郷を元気づけるダンス」を披露した(前列左から)志賀さん、鈴木菜々さん、田子さん、(後列左から)本田さん、鈴木沙那さん

 「東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後の古里への思いをダンスで伝えたい」。チアリーダーの活動を通し、地元いわき市で被災者を応援する活動をしてきた高校3年生5人が28日、同市でイベントを行い、活動を総括するため創作した「故郷を元気づけるダンス」を発表した。卒業後は離れ離れになる5人。これまでの思いを託し、元気いっぱいのダンスを披露した。

 イベントを行ったのは、チアダンスに取り組む団体クラップスチアリーダーズに所属する磐城桜が丘高の鈴木菜々さん(18)と志賀舞花さん(18)、田子ひかるさん(17)、小名浜高の鈴木沙那さん(18)、湯本高の本田梨華さん(18)。

 5人は小学6年の時に震災を経験し、鈴木沙那さんは津波で祖父母を亡くした。「悲しくて苦しい時こそ、チアリーダーとして故郷を応援しよう」。メンバーは被災後すぐに避難所でのボランティアや仮設住宅訪問などを開始し、全国での福島PR活動などにも取り組んできた。

 卒業する前に活動を形にして残そうと、創作ダンスを取り入れたプロジェクトを7月に始動。津波で家族を亡くした悲しみや、自分たちの5年間の歩み、震災後芽生えた故郷を担う使命感などをダンスで表現し、後輩に受け継いでもらおうと練習を重ねた。

 米国ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の元チアリーダーで、復興支援「トビラプロジェクト」を展開する佐竹美帆さん(29)らが指導した。

 完成したダンスは、両手を広げて「つなぐ」ことをイメージし、腕を高く上げ大きく振って「元気」を表現。多くの人に踊ってもらおうと、年齢を問わず誰でも簡単に踊れるよう工夫した。イベントでは早速子どもたちと一緒にダンスを楽しんだ。

 「震災で家族や友人を失ったが、つらい経験をしたからこそ自分ができる『応援』で元気を届けたい」と鈴木沙那さん。踊り終えた田子さんは「誰かのために応援することは素晴らしく、誇らしいということをダンスから学んだ」と充実感をにじませた。ダンスはクラップスの後輩や佐竹さんらが踊り継ぐ。インターネットで世界に向けた発信も計画されている。

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