「父が帰ってきた」 遺品の日章旗が家族の元へ、福島県三春

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返還された日章旗を見ながら思い出を振り返る遺族ら

 米国人男性が所有していた日章旗が、太平洋戦争中にフィリピン・ミンダナオ島で戦死した田村市船引町出身の元日本兵、柳沼彌一(やいち)さん=当時(33)=のものと分かり、30日、遺族に届けられた。

 遺族によると、柳沼さんは1944(昭和19)年3月3日に出征。海軍の水兵長を務め、45年8月3日に戦死した。旗には「武運長久 三春大神宮」「柳沼彌一」などの文字が書かれていた。

 日章旗を届けたのは米バージニア州のサム・オーレムさん(63)、朱美・オーレムさん(61)夫妻。

 夫妻によると、日章旗は夫妻の知人の米国人男性が祖父の遺品から発見した。男性の曽祖父がミンダナオ島から持ち帰ったという。

 遺族に返還したいとの男性の思いを受け、夫妻が知人で福島市出身の湯浅修さん(53)=東京都=を通じて三春町に遺族の捜索を依頼した。

 返還式は同町にある柳沼さんの次女宗像温子さん(74)方で行われた。長女橋本ミネさん(77)、三女佐藤ウメノさん(72)、めいの柳沼美津子さん(68)らが集まり、鈴木義孝町長が立ち会った。

 ミネさんが夫妻から日章旗を受け取った。日の丸を振って父の出征を見送ったというミネさんは「優しい父だった。長い間保存してもらって感謝したい。父が本当に帰ってきたようだ」と話した。

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