本格帰還へ環境づくり焦点 楢葉避難指示解除...5日で『1年』

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避難指示解除から1年を迎える楢葉町。中央左では復興拠点の「コンパクトタウン」の建設、後方の沿岸部一帯では復旧工事が進む。中央右から続く国道6号は車両の通行量が増している

 東京電力福島第1原発事故で楢葉町に出された避難指示が解除されてから5日で1年が経過する。町によると、2日現在で町へ帰還した人口は9.2%に当たる376世帯681人で、いまだ1割にも満たない。町は、住民の帰還を本格的に進める時期の目標を来春としており、あと半年余りで住民が安心して帰れる環境をつくれるかが焦点となる。

 「来春の帰町目標へ力強い追い風だ。住民の帰町意欲を高める雇用の場につながる」。松本幸英町長は2日、町内に工場建設を計画する企業と立地協定を結び、復興への手応えを口にした。

 震災後、町内に進出した企業は4社目。産業集積の新たな拠点として町北部に整備する楢葉北産業団地に工場を構える計画だ。

 町商工会によると、会員事業所251社のうち、事業を再開したのは78.5%に当たる197社。

 ただ、地元での事業再開にこぎ着けたのは半数以下の104社で、小売業やサービス業など住民の居住実態が業績を左右する業種については停滞が目立つ。

 町が復興拠点の一つとして、国道6号沿いに急ピッチで整備を進める「コンパクトタウン」。近くには2月に開院した県立大野病院付属ふたば復興診療所(ふたばリカーレ)や歯科医院があり、住宅団地と商業施設も集約して利便性を高める構想を描く。

 しかし目玉の商業施設を巡っては、町と出店者との調整が長引き、当初の計画から1年遅れとなる2018(平成30)年3月完成と目標がずれ込んだ。

 「どの業種も人材不足が課題で、事業拡大には慎重な経営者が多い」。建設業が先導した復興需要がピークを過ぎる中、町商工会の担当者は地域経済の先行き不透明感が帰還の足かせになっている実態を憂う。

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