南会津で南郷トマト感謝の収穫 関東・東北豪雨、10日で1年

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豪雨から1年で生産再開にこぎ着け、南郷トマトを収穫する湯田さん

 記録的な大雨で県内に大きな被害をもたらした関東・東北豪雨は10日、被害が拡大した昨年9月10日から1年を迎える。河川の氾濫や土砂崩れが発生した南会津町では、地域農業の核となる南郷トマトの生産も打撃を受けたが、農家は一層の生産振興を目指し、歩みを進めている。

 「わずか1年で再開できるとは思わなかった」。同町舘岩地域の真新しいビニールハウス内で南郷トマトを収穫する農家、湯田弘一さん(61)は感慨深げだ。

 JA会津よつばによると、豪雨により昨シーズン中の生産を一時停止するなど被害を受けた町内の農家は13軒。氾濫した舘岩川の支流沿いで生産していた湯田さんは、ビニールハウス17棟(約30アール)のうち、14棟が全壊するなど特に大きな被害を受けた。

 「復旧には人手が必要で、巨額の資金もかかる」と、途方に暮れていた湯田さんに手を差し伸べたのは農家仲間だった。親戚の農家が河川から離れた農地を提供。新しいハウスを設置する際には、知人のトマト農家が相次いで応援に駆け付けた。当時は5年後と見込んでいた生産再開の時期は大幅に短縮された。湯田さんは「仲間の応援のおかげで今年は豪雨前とほぼ同じ生産量が期待できる。感謝の気持ちも込めて南郷トマトの生産振興に尽くしていく」と話した。

 農業の再生や道路網の修繕が進む中、基幹産業の一つの観光産業にはいまだに豪雨の爪痕が残る。年間約1万人の観光客が訪れる国天然記念物の駒止湿原は、湿原につながる町道2路線が復旧しておらず、入山規制が続いている。町は、比較的被害の少なかった1路線を優先して復旧を進め、来年度中の再開通を目指している。

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