富岡で「準備宿泊」開始 初日は19世帯手続き、環境整備に課題

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 東京電力福島第1原発事故による全町避難が続く富岡町で17日、帰還困難区域を除く地域の避難指示解除に向けた「準備宿泊」が始まった。町は来年4月の帰還困難区域を除く地域での帰還開始を目指しており、準備宿泊は避難指示が解除されるまで続く。夜間も含めて自宅などに長期滞在でき、町民の帰還に向けた判断材料になるが、解除までに町民が町内で宿泊できる環境を十分に整備できるかどうかが課題だ。

 準備宿泊の対象は居住制限、避難指示解除準備の両区域の3860世帯9679人(7月12日現在)で、町人口の約7割を占める。15日時点で56世帯119人が準備宿泊を申請し、初日の17日は19世帯31人が宿泊手続きを済ませた(午後5時15分現在)。

 準備宿泊の開始に伴い、21日からはセブン&アイ・ホールディングスグループの移動店舗が同町の国道6号沿いの旧「Tom―とむ」で営業を始めるほか、「町立とみおか診療所」は10月1日に診療を始める。

 佐藤さん「古里、やっぱりいい」

 「わが家は落ち着く。古里はやっぱりいいな」。いわき市で避難生活を送り、準備宿泊で富岡町本岡の自宅に戻った佐藤勇さん(68)はしみじみと語り、庭で長年育ててきた植木などの手入れに励んだ。

 町内にある親族の畑を管理するため、これまでも日中は頻繁に町に戻っていた。「いわき市からいちいち富岡町に戻るのは容易ではなかった。今後はしっかりと畑の手入れをしたい」と笑顔を見せた。

 ただ、自宅は築35年程度。震災でひびが入るなど傷んでおり、建て替えるかどうか悩んでいるという。「これからはずっと富岡町に住みたい。苦労して建てた家だが、今後、どうしようかな」。古里での生活に向けた苦悩は続く。

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