原発事故以前から「ヨウ素」十分摂取 子どもの尿中濃度調査

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 ひらた中央病院(平田村)で県内や本県周辺の子どもらの尿中のヨウ素濃度などを調べた結果、原発事故以前から十分なヨウ素を摂取していたとみられることが分かったとする論文を、同病院などに勤務する坪倉正治医師らの研究チームがまとめ、24日までに米国の甲状腺専門誌に発表した。

 論文によると、通常からヨウ素を十分に摂取していると放射性ヨウ素の被ばくによる甲状腺がんの発症リスクは下がるとされている。チェルノブイリ原発事故では子どもに甲状腺がんが確認されたが、内陸部で恒常的にヨウ素が欠乏している地域だったことも影響したと考えられている。

 ヨウ素は昆布など海産物に多く含まれ、日本人は多量にヨウ素を摂取している。論文は「(日本人が)ヨウ素を食事から十分に取っている事実は、チェルノブイリ事故と福島原発事故の状況が全く異なることを示している」としている。

 研究では2012(平成24)年10月~15年10月に検査を受けた事故当時18歳以下の子ども4410人のデータを分析。結果、尿中ヨウ素濃度の中央値は、世界保健機関(WHO)が推奨する値を大きく上回った。重度のヨウ素欠乏とされる人はいなかった。

 事故後にヨウ素の多い食品を意識的に摂取するようになったと答えた人と、そう答えなかった人との間で値に差はなく、事故前から元々、十分にヨウ素を摂取していたことが示唆された。