紅葉路にスーパーカー、サブカルイベント...新感覚「福島県」PR

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ランボルギーニがスカイラインを疾走する動画の一場面

 スカイラインを疾走するランボルギーニ、本県の地酒とDJを組み合わせたクラブイベント...。従来の型にはまった発想から脱却し、新たなアプローチで本県の今をアピールする動きが活発化してきた。インターネットでの口コミ拡散を狙った動画や都内でのイベント、少数派の新しい文化を取り上げたサブカルチャーイベントなど、震災前にはあまり見られなかった動きだ。新しい感性による情報発信に、県内外の熱い視線が注がれる。

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 紅葉真っ盛りの磐梯吾妻スカイラインを疾走するイタリアのスーパーカー「ランボルギーニ・アヴェンタドール」。紅葉とスーパーカーのインパクトに視聴者も食い付き、動画はフェイスブックなどで拡散、再生回数は17日の公開以降、6万回を超えた。

 動画は「ほんとうの空へ続く道」と題し、県と制作会社、ソーシャルメディア研究所代表の熊坂仁美さん(福島市)のチームが制作。福島市の中古車販売店「夢形(ムケイ)」の協力を得て実現した。「動画は最初の数秒が勝負。耳目を引くには、おおっと思わせる車にしたかった」(県広報課)という狙いがピタリとはまった。約30秒の動画はドローンで上空から撮影。早回ししてスピード感を演出し、車種を白にして紅葉を際立たせた。インパクトの大きさを自覚してか「クルマのCMではありません」というオチも効いている。

 一方、下郷町の大内宿で女子中学生が踊る「ふくしまの四季を踊ってみた」シリーズの最新作も6日の配信以降、再生回数が7万回に迫る人気を見せる。オーディションを勝ち抜いた「ダンスファクトリーKマニフィック」(福島市)の久保田夏鈴(かりん)さん(14)と渡辺瑞葉さん(14)が出演。県は「本県に興味を持っていただき、来訪者が増えてくれれば」(広報課)と期待を込める。二つの動画はユーチューブ「福島県公式チャンネル」などで見ることができる。

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 DJの音楽が響くダンスホールの中で会津の酒蔵の試飲を楽しむイベント「東京會津祭(あいづまつり)」が人気だ。過去に4度東京で開催されたが、いずれも前売り券は完売するほど人気が定着してきた。従来の日本酒イベントとは一線を画す。会津の酒造関係者が務めるDJ陣が、自らの選曲で独特の空間を演出。来場者は多くが首都圏の若者たちで、参加蔵元も若手が中心だ。東京會津祭は、会津の酒蔵の取材を重ねてきたウェブメディア「富士虎」が主催。今年は7月に行われた。

 会津若松市の酒店「植木屋商店」の18代目・白井與平(よへい)さん(41)もDJの一人。「会津の酒造界のニューウエーブが一堂に会すイベント。楽しみにしている人も多い。切磋琢磨(せっさたくま)しておいしい日本酒を造ろうという盛り上がりが会津の日本酒のファンに伝わり、イベントの熱気にもつながっている」とますます意欲的だ。

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 県内各地域を会場に映画・アニメ上映、音楽、コスプレイベントなどを繰り広げる文化祭「マジカル福島」が11月3~6日に開かれる。実行委員長を務めるアニメ制作会社・福島ガイナックス(三春町)の浅尾芳宣社長(48)は「福島に滞在してもらい、自分の足で移動してもらわなければ魅力は伝わらない。文化祭のコンテンツも魅力の一つだが、それ以外の各地の食や文化とも連動していきたい」と開催の意義を話す。

 福島のPRを4日間だけで終わらせない仕掛けも用意した。文化祭に合わせて実施する「マジカルムービープロジェクト」は、文化祭の様子など福島の魅力を発信する動画をツイッターやフェイスブックで一般から募る。投稿された動画は各界から選ばれたスーパーバイザーが審査、上映イベントなどを通じて本県をさらに盛り上げる。浅尾社長は「投稿動画やマジカル福島のアプリなどで1年を通して福島を楽しんでほしい」と呼び掛けている。