浪江で「準備宿泊」始まる 帰ってきた...「やっぱり自宅が一番」

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 東京電力福島第1原発事故による全町避難が続く浪江町で1日、帰還困難区域を除く地域の避難指示解除に向けた「準備宿泊」が始まった。町は来年3月の帰還開始を目指しており、準備宿泊は避難指示が解除されるまで続く。二本松市の仮設住宅から浪江町立野の自宅に戻った本居重信さん(80)と妻ノブさん(79)は「慣れ親しんだ自宅が一番」と声を弾ませた。

 浪江町によると、準備宿泊の対象は7655世帯2万1085人(9月26日現在)。10月31日までに112世帯281人が準備宿泊を申請、初日の1日(午後5時現在)は32世帯66人が宿泊手続きを済ませた。

 「お正月が楽しみ」「生活品足りない」

 「避難指示解除までじっくりと自宅で過ごせる」。東京電力福島第1原発事故に伴う全町避難が続く浪江町で1日始まった準備宿泊では、9月の特例宿泊以来自宅で過ごす住民の姿が見られた。準備宿泊は町が目指す来年3月の帰町開始に向けた大きな節目となる。

 二本松市の仮設住宅から浪江町立野の自宅に戻った本居重信さんと妻ノブさんは「避難指示解除まで落ち着いて自宅の手入れやリフォームを進めたい」と話す。

 東日本大震災の影響で自宅の水回りが被害を受けた。特例宿泊でも自宅に泊まったが、「限られた日数だったので自宅の手入れなどが十分にできなかった」と振り返り、「準備宿泊は日数の制限がないので、気分は楽」と感じている。「自分にとって世界で良い所は自宅以外にない」と言い切る本居さん夫妻。「自宅で迎えるお正月が楽しみだ」と今から心待ちにしている。

 双葉署などは1日、準備宿泊の開始に合わせ、住民の安全・安心確保に向け町内で警戒パトロールと検問を実施した。双葉署浪江分庁舎で行われた集結式には県警本部や双葉署などから約50人が出席。双葉署の佐治誠署長は「住民の不安を取り除くため、住民の気持ちになって行動してほしい」とあいさつした。署員らが準備宿泊を行う世帯を訪問した。

 同町酒田の原茂さん(74)と妻幸子(たかこ)さん(73)は警察官の巡回連絡を受け「周囲ではあまり帰ってくる人はいない。警察官が巡回してくれるのは心強い」と期待を寄せた。

 二本松市の仮設住宅から戻ってきた原さん夫妻。同日は町役場での手続きのついでに、10月28日に一般向けにオープンした同町役場敷地内の仮設商業施設を訪れたが「生活を送るのには少し品ぞろえが足りないようだった。買い物には(車で約30分の)南相馬まで行かないといけない」と考えている。茂さんは「町内での生活には、スーパーや医療機関の整備が重要になってくる」と早期の整備を求めた。