「2年一括」見直し要求へ 農林業賠償でJA協議会、打ち切り不安

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 東京電力福島第1原発事故による来年1月以降の農林業の営業損害の賠償を巡り、JAグループ東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策県協議会(JA協議会)は11日、東電が9月に示した損失(年間逸失利益)の2年分を一括賠償し、その後は個別対応とする素案の見直しを東電に求めることを決めた。新たな賠償方針について合意できるまでは、損害を毎月請求する現行方式の継続を求める構え。

 県内5JAや農業団体でつくるJA協議会が11日、福島市で開いた臨時総会で、東電が示した素案に対する意見を集約した。総会は冒頭を除き非公開。協議会によると、農林業の賠償に関係する17団体全てが「賠償打ち切りの不安が払拭(ふっしょく)できない」などとし、素案は受け入れられないとの結論で一致した。

 協議会は、素案の見直しを求める理由として、営農再開や風評払拭を2年で確実に図れる見通しはなく、2年分とする理由や根拠の希薄さを挙げた。今なお農地が除染で出た廃棄物などの仮置き場として活用され、営農再開を望んでも不可能なことや、県産農産物の市場評価が下がり安値での取引が定着していることなど、農業復興に向けた課題が山積している現状を訴えた。協議会長の大橋信夫JA福島五連会長は取材に「損害がある限りは賠償することを明確にすべき」と語った。

 素案の見直しに当たり協議会は、農家や関係団体の意向を十分に踏まえ、被害の実態に合った賠償を確実に行うことや、個別対応による東電との交渉で農家が不本意な賠償を迫られることがないよう、引き続き協議会を通して賠償することなどを求める。

 今後、県原子力損害対策協議会がJA協議会の見直し要求方針を踏まえ、県協議会としての意見を取りまとめる。おおむねJA協議会の方針に沿った意見になるとみられ、15日、東電の広瀬直己社長に対して、素案の見直しなどを要求する。

 JAグループの損害賠償対策県協議会が賠償素案の見直しを求める方針を決めたことについて、東電の担当者は「あくまで今回の案は関係者の皆さまの意見を伺うための素案。引き続き意見を伺いながら真摯(しんし)に対応したい」とした。