田部井淳子さんの遺志...受け継ぐ 17年も「高校生の富士登山」

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2012年から取り組む「東北の高校生の富士登山」で本県高校生とともに富士山登頂を喜ぶ田部井さん(後列右)=14年7月

 10月に77歳で亡くなった登山家田部井淳子さん(三春町出身)が総隊長を務め、被災した東北の高校生が富士山登頂を目指したプロジェクト「東北の高校生の富士登山」で、田部井さんの長男進也さん(38)らは12日までに、田部井さんの遺志を引き継ぎ、来年以降もプロジェクトを継続することを決めた。田部井さんは生前、「高校生は本県復興にとって大きな力になる。何とか1000人登らせたい」と富士登山を通じた復興支援に強い思いを持っていた。

 「今まで身近すぎて気付かなかったが母の死後、あらためて田部井淳子という女性が、いかに偉大な登山家だったかということを実感させられた」と話す進也さん。「生前、母が強く望んだ高校生1000人登頂を達成することが母の古里福島への恩返しと東北の復興につながると信じ、継続を決意した」としている。

 プロジェクトは「日本一の富士山から、次なる東北を支える勇気と元気をもらって前に進んでいってほしい」として田部井さんと、山と渓谷社・日本山岳遺産基金の主催で震災、原発事故翌年の2012(平成24)年に開始。これまでに本県を中心に東北の高校生延べ415人が参加している。

 今年7月の富士登山には93人が参加。田部井さんは7合目まで登り、頂上へ向かう高校生たちを励ましたのが自身最後の登山となった。田部井さんは「皆さんは私の誇り」と参加した生徒たちをたたえていた。

 富士登山は毎年7月に2泊3日の日程で実施。お小遣いでも参加できるようにと高校生の参加費は1人3000円とし、それ以上の予算は全国の山や自然を愛する関係者からの寄付などで運営してきた。進也さんは現在、田部井さんのエベレスト登頂40周年記念Tシャツ販売などを通して来年の実施に向け、資金確保などの準備を進めている。進也さんは「今後とも一人でも多くの高校生に富士登山の感動を味わってほしい」と話す。

 田部井さんは昨年、「第25回みんゆう県民大賞」のふるさと賞を受賞している。