「交流人口」拡大...導入の意義 地方創生へ専門性持つ隊員重要

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 市部から移り住み、地方で町おこしなどに取り組む「地域おこし協力隊」の隊員の姿を通して地方創生や人口減対策の現状を探った連載企画「ふくしま発げんき創生 地域おこし協力隊」(10月20~25日、全5回)。県地域創生・人口減少対策有識者会議座長の岡崎昌之氏(71)に意見を聞いた。

                ◇

 地域おこし協力隊の効果は、人口増政策の捉え方による。従来のように定住人口だけで考えれば有効ではないかもしれないが、「交流人口」「応援人口」を拡大するという意味では協力隊導入の意義は大きい。定住はしなくても任期後、外から、その地域に思いを寄せて特産品を買ったり、何度も訪れたりする人がいることに意味がある。

 協力隊は、若者が自己実現の場所を探すような形で入るケースが多い。それを否定するわけではないが、協力隊制度の趣旨は、農山村の新しい地域社会づくりや経済振興の実現であり、ひいては定住につなげることだ。隊員が専門性を持ったスペシャリストとして地域と関わることが大切になってくる。デザインやITの技術、スポーツなどの得意技を持って住民と接すれば、単なる「自分探し」の場合と比べて地域との関係性も違ってくるのではないか。

 受け入れ意図

 明確に 一方、協力隊を受け入れる側が明確な意図を持つことも必要だ。募集しても隊員が来てくれないという自治体が全国に多い中、ただ「定住人口を増やしたいから来てください」では隊員側の意図と合わない。また、受け入れ地域の中に、協力隊と住民との間を取り持つようなことができる人の存在も重要になる。外から来た若者の心情や興味が分かり、かつ人間関係や歴史など地域の内側のことも分かっている。そういう役割を果たす人がいないと制度は長く続かないと思う。

 おかざき・まさゆき 法政大名誉教授。岡山市出身。早稲田大政治経済学部卒。日本地域開発センター企画調査部長、福井県立大教授を経て2001(平成13)年度に法政大教授。専門は地域経営論、コミュニティ政策論。71歳。