【Visit Fukushima知恵を拝借 グランデコ編】誘客主軸...海外に

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海外の旅行業者にグランデコリゾートを紹介する金光販促主任

 外国人旅行者(インバウンド)の獲得に向けて、自治体や企業などが外国人を雇用して誘客しやすい環境を整備する動きが県内で進んでいる。外国人を従業員やアドバイザーとして迎えたり、外国人旅行者を頻繁に受け入れている施設などに焦点を当て、「案内する側」から見た本県観光の課題や情報発信で工夫している点などを聞いた。

 グランデコリゾート(北塩原村)は外国人の宿泊者数が伸びている施設の一つ。2014(平成26)年度から力を入れている誘客効果もあり昨年度の宿泊数は1000泊超。14年の約300泊の3倍以上となった。本年度は、さらに3倍の3000泊の目標を掲げている。

 積極的な情報発信と外国人の趣向を捉えたサービスが宿泊者の心をつかんだ。国際的なスキーの展示会や海外の旅行業者向けの説明会への参加に加え、日本のスキーを特集する海外サイトでの露出を増やすなどアピール。金光弦太販売促進主任(45)は、頭打ちになっている国内旅行者数を増やすことに努力するよりも「東京五輪に向けて確実な伸びが見込まれる外国人の誘客、特に個人向けが必要だ」と活路を求めた。

 外国人側に立った工夫も重ねる。増加する個人旅行者を狙って豪州のスキー雑誌に掲載したスキー場地図に、コース以外にある滑走危険区域を初めて明示した。「海外では日本ほどコース外での滑走に制約がないため、日本に来てコース外を滑るスキー客が必ずいる。管理区域の外だといっても危険であることを示す必要がある」と、文化の違いを埋める難しさを語る。

 外国人雇用も進め、昨年は繁忙期に10人以上を採用、今冬も海外に向けた求人を行い、20人以上と契約した。英国からの応募が多かったことから、すぐに同国を誘客強化地域に組み込んだ。

 グランデコリゾートは国際ゲイ&レズビアン旅行協会に北日本で唯一加盟する。「富裕層や文化人に影響力があり、リピーターが期待できるLGBT(性的少数者)を含めた外国人の誘客を強化していきたい」と意欲的だ。

 求人情報見て来県

 グランデコリゾート(北塩原村)が昨年、外国人旅行者に対応するため初めて就労ビザで採用した外国人従業員が、イタリア人女性のアレッサンドラ・コルツァーニさん(27)。母国のイタリア語と英語、覚えたての日本語を駆使した笑顔の接客が評判だ。

 母国の大学で日本語を学び、日本に興味を持ったコルツァーニさん。同社がインターネットで発信した求人を目にしたことが、本県を知るきっかけとなった。

 スキーシーズンはスキー場の施設で窓口対応、それ以外はホテルで接客術を磨いている。接客する中で英語を話す日本人が想像以上に少ないことに驚いたコルツァーニさん。「外国人が安心して旅行を楽しめるよう支えたい」と自分の役割に意欲を見せながらも「せっかく日本に来て対応が日本人じゃなかったら、がっかりされないかしら」と笑う。

 「訪日客は日本文化への興味が強い」と自分を重ねて説明する。ホテルの売店で扱っている会津の工芸品、赤べこの由来を尋ねられた際には、柳津町にある円蔵寺の建立時に仕事をこなし、今も人々に愛されているとの逸話を紹介した。

 「私も期待された仕事をやり遂げる、勤勉な会津の"赤べこ精神"を持って頑張りたい」と2年目の冬に意欲を見せた。