【コラム】WALK TO THE DREAM-1 いわきFC始動

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「魂の息吹くフットボールを追求していく」と話す大倉智氏

 いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆ぶれずに成長した1年

 いわきFCが始動し、駆け抜けた最初のシーズンが終わった。県社会人リーグ2部優勝、全国クラブチーム選手権大会優勝など計六つのタイトルを獲得することができたが、シーズンを通じて、チーム、選手を励まし、支えてくれた多くのサポーター、いわき市民、そして、県民の皆さんに感謝申し上げたい。

 昨年11月にいわきスポーツクラブを設立した時はこのようなチームになるとは想像できなかった。「スポーツを通じて社会を豊かにする」という大きなビジョンを掲げてスタートしたものの、選手のフィジカルスタンダード(身体能力の基準)を変える時間やピーター・ハウストラ監督の戦略を浸透させる時間が必要だった。専用グラウンドもなく、どうなるのかと思っていた日々を思い出す。幸いに、チームの方針がぶれなかったのは、しっかりとビジョンを持っていたからであり、勝っても負けてもそこに常に立ち返って物事を判断してきた。

 今年2月の本格始動から1、2カ月が過ぎると、選手の体つきが変わり、パフォーマンスも上がってきた。チーム内の競争も出始めた。1試合1試合勝利を重ねることで、選手に欲も出てきた。クラブは1年、1年とJリーグに向けて階段を上がることを初期設定に描いた。ただ、勝ち続ける中で日本フットボールリーグ(JFL)への飛び級が少しずつ頭によぎり始める。「俺たちは東北社会人1部に勝てないのか」と思っていたら、東北社会人1部のチームを次々と撃破し、少しずつ自信が芽生え、10月の全国社会人選手権大会を迎えた。残念ながら準々決勝で敗れ、JFLへの飛び級昇格はならなかった。しかし、チーム力が着実に上がったシーズンだった。

 JFLに上がれなくても、われわれとしてやるべきことは変わらない。「魂の息吹くフットボール」をどの舞台でもやるだけだ。フットボールの本質はゴールを決め、ゴールを取られないこと。前へ前へと敵陣に進み、相手からボールを奪う。90分間足が止まらない。そんなサッカー、「魂の息吹くフットボール」を追求していく。

おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソル、ジュビロ磐田、ブランメル仙台(現ベガルタ仙台)でFWとして活躍。引退後はスペイン・バルセロナに留学しスポーツマーケティングを学ぶ。帰国後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、昨年12月から現職。47歳。