「中間貯蔵」17年秋開始 用地取得まだ1割...本体工事着手

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土壌を剥ぎ取る作業が始まった貯蔵施設の建設地=15日午前10時40分ごろ、大熊町夫沢

 環境省は15日、大熊、双葉両町で中間貯蔵施設の本体工事に入った。県内の除染で出た汚染土壌を最大30年保管する貯蔵施設を両町それぞれに造り、来秋には運用を始める。県の建設受け入れから約2年。県土回復の鍵を握る施設はようやく着工にこぎ着けたが、用地交渉の遅れから完成時期は見通せておらず、国を挙げて整備を加速できるかが焦点となる。

 施設本体で最初に建設するのは、県内各地の仮置き場から運び込まれた汚染土壌などを受け入れて分別する施設と、分別後の土壌を入れる貯蔵施設の2種類。環境省は大熊町夫沢、小入野両地区と双葉町郡山地区に0.07平方キロ(7ヘクタール)ずつの用地を確保する方針だ。

 伊藤忠彦環境副大臣は15日、着工に当たり両町の建設地で職員や作業員を前に訓示、安全を最優先して整備する考えを示した。大熊町夫沢地区の建設地では、放射線量を下げるため、土壌の剥ぎ取りや除草する様子が報道陣に公開された。

 貯蔵施設の容量は1カ所当たり約6万立方メートルで、2町合わせて約12万立方メートル。しかし、最大2200万立方メートル(東京ドーム18個分)と推計される施設全体の容量の0.5%にすぎない。

 建設が遅れている要因は、一部地権者との交渉が難航し用地取得が進んでいないためだ。施設の全体面積約16平方キロのうち、先月末までに国と契約を結んだのは約1割(約1.7平方キロ)にとどまる。

 伊藤氏は「地権者や関係者の協力で用地取得が軌道に乗ってきた」との認識を示した一方で、現場に立ち会った渡辺利綱大熊町長と伊沢史朗双葉町長は環境省に対し、地権者に寄り添って丁寧に対応するよう重ねて求めた。

 政府は、施設の使用開始から30年以内に県外で最終処分することを法律で明記した。昨年3月には予定地内に設けた保管場に土壌の搬入が始まった。2045年3月12日までに県外最終処分を完了することになるが、処分先のめどは立っておらず、地権者らは「最終処分場になるのではないか」と懸念している。