兄弟医師タッグ!南相馬の医療向上へ 兄は内科、弟は整形外科

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クリニックの設計図を確かめる幸辰さん=福島市の自宅

 震災と原発事故後、医師不足が続く南相馬市で、同市小高区出身の医師の兄弟が同市原町区日の出町で開業する。12月に弟の三沢辰也医師(44)が整形外科のクリニック、来年2月ごろに兄の三沢幸辰(ゆきとき)医師(49)が内科のクリニックを、同じ敷地に開業する。2人は医療で人々の健康を支え、故郷の復興に貢献することを誓う。

 幸辰さんと辰也さんはそれぞれ福島医大を卒業後、県内の医療機関に勤務。震災発生時は、幸辰さんは福島医大病院から派遣され南相馬市立総合病院の外来、辰也さんは2009(平成21)年から努めるJヴィレッジ(楢葉、広野町)内のJFA(日本サッカー協会)メディカルセンター院長として同センターにいた。

 震災後、幸辰さんは会津若松市の病院、辰也さんは南相馬市立総合病院や宮城県岩沼市の病院に勤務していた。

 元々開業を考えていた辰也さんは、故郷の力になりたいと昨年夏ごろから開業への動きを本格化させた。辰也さんの開業を知った幸辰さんも開業を決意した。

 「故郷の力に」

 南相馬市は本年度、市内で不足している整形外科や産科、小児科などの診療所を新たに開所する開業医に、開業資金(上限5000万円)を補助する事業を始めた。その事業を知った辰也さんは5月に応募し、第1号に選ばれた。

 辰也さんのクリニック「三沢整形外科スポーツクリニック」は12月1日に開院する。「スポーツの知識を生かし、子どもからお年寄りまで健康で暮らせるように貢献したい」と考える。幸辰さんのクリニック「三沢内科ハートクリニック」は来年2月ごろの開院を目指している。「南相馬では医師が足りない。出身者として、地元に戻り地域医療に貢献できれば」と誓う。2人は「互いに補い合い、何よりも兄弟ということで心強く感じる」と前を向く。

 兄弟での開業に市民も期待する。同市の会社役員谷田部真敏さん(34)は「医師不足は地域の課題。兄弟での開業は地域医療を下支えしてくれ、本当に力強く感じる」と歓迎する。