農林業の損害賠償、見直し案提示先送り 東京電力「検討中」

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 東京電力福島第1原発事故による来年1月以降の農林業の営業損害の賠償を巡り、東電は22日、JAグループ東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策県協議会(JA協議会)から同日を期限に求められていた賠償見直し案の提示を見送った。現行の賠償は請求期間が12月末までのため、見直し案は年内に示されるとみられるが、東電福島復興本社の新妻常正副代表は「内容を検討中。可能な限り早期に提示したい」と具体的な時期の言及は避けた。

 新妻副代表らが22日、福島市で開かれた同協議会の総会で見直し案の提示見送りを伝えた。一方、東電が素案で示した原発事故による損失(年間逸失利益)の2年分を一括賠償した後の対応については、「個別対応」ではなくJA協議会を通して賠償請求に対応する考えを示した。

 東電が素案を示した今年9月から、期限を決めて見直し案の提示を求めていた同協議会長の大橋信夫JA福島中央会長は「明確な回答がなかったことは誠に遺憾」との談話を発表した。JA協議会は12月上旬に見直し案を示すよう、改めて東電に要求した。

 総会では、参加した県内5JAの組合長らから、交渉が年をまたぐことを念頭に「新たな枠組みが決まるまでは現行の賠償を継続してほしい」との訴えが相次いだが、東電側は「皆さまに迷惑を掛けないようにしたい」と述べるにとどまり、具体的な回答を避けた。

 東電が9月に示した来年1月以降の農林業の賠償素案は、営農再開や風評被害収束への見通しが立たない中、一括支払い後に賠償が打ち切られるのではないかという懸念から、農林業者の強い反発を招いている。