ジャージー牛で『農業復興』 鮫川の清水さん、乳製品開発に意欲

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鮫川村でジャージー牛を育てる清水さん。乳製品を開発し、本県農業を盛り上げようと奮闘する

 東日本大震災後、本県で農業に取り組む若者の姿が頼もしい。鮫川村では、乳製品開発に高い志を持つ同村出身の清水大翼(だいすけ)さん(28)が、国内乳牛に占める割合が1%未満とされる希少なジャージー牛の飼育に取り組み、乳製品開発で本県農業のイメージアップに貢献しようと奮闘している。

 ジャージー牛は、ホルスタインに比べて小柄で搾乳量が少ないため、大規模経営の酪農家には敬遠されがち。清水さんは高品質の乳製品開発にこだわり、乳脂肪分が高くソフトクリームやチーズに濃厚な味わいと豊かな風味を生み出すと考えられているジャージー牛を選んだ。

 朝、夕の2回搾乳した約220キロの牛乳は、県酪農業協同組合を通じて出荷しているが、出荷先やどんな乳製品に加工されているかは把握し切れない。「ただ出荷するだけでなく、ベストの形で消費者に届けたい」と、来秋までのソフトクリームの製品化を目指す。

 清水さんは大学卒業後、北海道の牧場で研修中に、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を経験したが「大好きな鮫川で働きたい」と風評に向き合う覚悟で地元に戻り、2012(平成24)年4月に同村で牧場を始めた。

 同村での酪農も5年目に入ったが、従業員1人だけでは人手不足で、牛の世話に追われ、乳製品開発を進められない。

 それでも「自分の理想とする牧場に少しずつ近づいている」と語る表情には充実感がにじむ。牛は当初の15頭から25頭に増えた。来年には結婚する予定で、妻と協力してソフトクリームの製品化を進め、県内外の道の駅や温泉施設に出荷できるよう準備している。

 復興庁が設立した、本県を応援する全国の消費者の集いの場となる福島フードファンクラブ「チームふくしまプライド。」の一員でもある。「楽しく酪農をすることで、福島の農業のイメージアップに貢献したい」と笑顔を見せた。