廃炉へ「止水技術」開発進む 楢葉で原寸大模型使用試験を公開

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 
圧力抑制室の補強に向けた模擬試験=29日午前、楢葉町・楢葉遠隔技術開発センター

 東京電力福島第1原発1~3号機の廃炉で最難関となる溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しに向け、事故で損傷した原子炉格納容器の補修や止水に必要な技術開発が進んでいる。国際廃炉研究開発機構(IRID)と日立GEニュークリア・エナジーは29日、楢葉町の楢葉遠隔技術開発センターで2号機原子炉格納容器の原寸大模型(高さ約12メートル、幅約20メートル)を使った試験を報道陣に公開した。

 政府と東電などは来夏、廃炉戦略プランに基づき、デブリ取り出しの工法を絞り込む方針で、放射線を遮る水で格納容器の上部まで満たす「冠水工法」や、デブリがある原子炉底部だけに水を張る「気中工法」を軸に検討が進んでいる。

 IRIDによると、いずれの工法を採用しても、格納容器の水漏れ箇所については補修や止水する技術が求められる。格納容器の下部にある圧力抑制室内に止水対策などを講じると、重さが2.5倍に増える見込みで、圧力抑制室を支える脚部の補強が必要となる。

 今回の試験は、圧力抑制室とそれを収める「トーラス室」と呼ばれる空間を再現して行われた。セメントが素材の補強材をトーラス室に流し込み、圧力抑制室の脚部を補強する作業を想定。試験のため、セメントの代わりに水が使われた。

 現場の放射線量を毎時3ミリシーベルトと推計し、作業員の被ばく線量を1ミリシーベルトに抑えるよう15~20分以内で作業を終える手順を確かめた。防護服と全面マスク姿の作業員4人が床に開いた直径40センチの穴から、長さ10メートルのホースを投入。カメラの映像で配管などの障害物を避けながらトーラス室にホースを送り込み、水を流した。