「Jヴィレッジ食堂」閉店 廃炉拠点の食堂、作業員らを支える

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最後の営業で朝食を振る舞う伊関さん(右)=29日午前6時45分ごろ、Jヴィレッジ

 2019(平成31)年4月の全面再開を目指し再整備が進むJヴィレッジ(楢葉、広野町)で、施設内の食堂「ハーフタイム」が29日、閉店した。東京電力福島第1原発の事故収束と廃炉に向けた対応拠点となってきたJヴィレッジ唯一の食堂として作業員や東電社員、帰還した地域住民らに温かい料理を提供、食で復興を支えてきたが、ひとまず役目を終えた。

 ハーフタイムは、元Jヴィレッジ総料理長でサッカー日本代表専属シェフの西芳照さん(54)=広野町=が11年9月に営業を再開。朝食やランチ、弁当、夕食と手作りの料理を振る舞い続けてきた。西さんは「あっという間の5年間。大変なことばかりだったが、やって良かった。少しは復興の役に立てたと思う」と感慨深げに語った。

 最終日の午前6時。ロビーに人けはなかった。再整備工事に入るためバスの乗車場はグラウンドに移り、月末に迫った閉館準備がほぼ済んだためだ。ハーフタイムも引っ越しが進み、残ったのは最小限の食材と道具だけ。開店から30分がたつとにぎわいだし、東電社員118人分の朝食が並んだ。

 「『もう終わりなんだ』というのが信じられない。やはり寂しい」。スタッフの伊関洋士郎さん(37)=いわき市=は接客や片付けに追われながらフロアを見つめた。平工高サッカー部OBでサッカー好きの伊関さん。「変わり果てたJヴィレッジのため力になりたい」と2年前から勤めた。今後は西さんが広野町で営むレストラン「アルパインローズ」で働く。Jヴィレッジは芝生が茂る"サッカーの聖地"として再生され、新しいホテルとレストランも造られる。「子どもたちが戻り、サッカーでにぎわいを取り戻す日が楽しみ」。再び店を構えたいという西さんの決意は揺るぎない。