「農林賠償」年内にも合意 東電が見直し案、3年分一括示す

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 東京電力福島第1原発事故による来年1月以降の農林業の営業損害賠償を巡り、東電は1日、県庁で県や農商工団体などでつくる県原子力損害対策協議会(県協議会)に対し、避難区域内の一括賠償を2018(平成30)年分で打ち切るとした従来の素案を見直し、19年までの3年分を一括で払うとした新たな賠償案を伝えた。これに対し鈴木正晃副知事やJA代表者など県側は「協議会の要求を踏まえた見直しだ」と一定の評価を示した。今後、賠償案の受け入れ可否についてJAなどが構成団体の意見を集約し、修正した上で年内にも合意に至る見通しとなった。

 東電の新たな賠償案は、11月30日に自民党が示した申し入れにほぼ沿った内容となった。

 JA側の協議会は今月中旬をめどに臨時総会を開き、受け入れの可否を決める。県協議会はJA側の会合後に全体会議を開き、東電に賠償案への意見を伝えるとみられる。

 賠償案では、避難区域内と出荷が制限されている農林産物に関しては、20年以降に農地が汚染土の仮置き場となり、営農再開ができないなど損害が続いて3年分の賠償額を超える場合には、生産者らの意見を踏まえた方式で「(東電が)適切に支払う」と修正した。

 また避難区域外では、来年1月以降の1年間は実際に生じた損失を支払う現行方式を継続。18年以降の賠償方法については17年末までに決めると変更した。

 JAグループ東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策県協議会長の大橋信夫JA福島中央会長は会合後、受け入れ可否の判断については各農業団体の意見を尊重する考えを強調した上で「損害が続く限り賠償するという要望通りの答えをもらえた。(JA側の協議会の)理解を得られると思っている」と語った。

 一方、商工業者の賠償については既に「2年分一括」で支払われており、この違いについて東電の石崎芳行福島復興本社代表は「農林業は商工業と比べ土地や気候、風土との関わりが強い。自民党の指導も含めて総合的に考えた」と述べた。