「ロボット」実証試験...活発に利用 既に17件、農地利用も視野

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 災害対応やインフラ点検用のロボット開発のため、県が2015(平成27)年4月から浜通り全域で橋梁(きょうりょう)やダムなど公共インフラの試験利用を認めている「福島浜通りロボット実証区域」で、県内外の企業や研究機関の利用が活発だ。同区域以外で公共インフラの目的外使用が認められるケースはまれで、県によると同区域で既に17件の試験が行われた。県は一層の利活用推進が本県産業の復興や知名度向上に結び付くとして、農地など公共インフラ以外の利用も視野に対応を強化する。

 15年8月~16年11月の1年余りの間に、学校の校舎やダムなどを活用して16件、延べ46日間にわたる試験が行われた。先月12日には南相馬市の海岸線で、完全自律制御機能を備えた小型無人機「ドローン」による長距離輸送試験も行われ、世界初の成功を収めた。新年度には同市が自動運転の通勤バスの運行実証を始める予定だ。

 国内では、高度成長期に整備されたインフラの老朽化が進み、維持管理する人材や技術の確保などが課題になっている。ロボット活用は有効な解決策として期待されているが、実用化に向けた試験を実施できる場所が国内では限られている。

 また、特区などの指定地域でもロボットの実証試験に関して規制緩和などの優遇措置がなく、他自治体での試験実施も多くて年間数件程度というのが実情とされる。13年に国の認定を受けた神奈川県の「さがみロボット産業特区」で本年度採択されたインフラ点検の実証は橋梁2件、ダム1件にとどまる。

 震災以降、ロボット産業の集積を復興の柱の一つに掲げる県は、その第一歩として実証区域の利用促進を図っている。国内最大規模の災害対応ロボット実証拠点「ロボットテストフィールド」の運用が始まる18年を見据え、県は今後、区域内の公共インフラ活用推進のほか、農地の利用、土地所有者の理解促進に向けた取り組みなどを進める方針だ。