『浜通り農業』再生へ意見交換 福島大、土地利用要点探る

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南相馬市で行われた実証実験の結果を発表する太平洋セメント中央研究所の神谷隆氏

 福島大は22日、南相馬市で東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した浜通りの農業再生に向けた意見交換会を開き、飼料、資源作物栽培を中心とした大規模経営の土地利用型農業をどう生かしていくかを考えた。

 同大とJA福島中央会、農林中央金庫が福島の農業再生につながる調査研究を連携、協力して行うことを目的に昨年結んだ協定に基づく取り組みの一環で、市内の農業者、JA、行政関係者約60人が出席した。

 まず、農業ビジネス専門誌出版社社長の昆吉則さんが基調講演、トウモロコシなど飼料、資源作物の栽培を通したコメに依存しない農業経営を考えた。昆さんはコメが過剰供給にある現況を示した上でコメを中心にした農業政策変換の必要性を指摘、少ない作業時間と生産費などからトウモロコシ栽培の優位性を強調した。

 続いて、栃木県にある研究所の職員が飼料、資源作物としてのトウモロコシ栽培に関して技術面から考察した後、福島大と南相馬市でトウモロコシを栽培する実証実験を行った太平洋セメント中央研究所の関係者が2016(平成28)年度の結果を発表した。

 発表によると、実証実験は沿岸部近くの排水性の悪い地区と内陸部の排水性の良好な地区の2カ所で行われた。収穫量の面で排水性の良い地域ではほぼ目標通りの良好な結果が得られたが、排水性の悪い地域では土壌の水分が多いために生育障害が起きる湿害や害虫の被害が目立ったという。

 また、課題として収穫後の乾燥、貯蔵にかかる費用の削減の必要性が挙げられた。