請戸に再び活気を 浪江・漁港岸壁復旧、26隻から再出発

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東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で避難していた漁船26隻が25日、復旧工事を終えた浪江町の請戸漁港に約6年ぶりに戻った。大漁旗をはためかせながら母港に入ってくる漁船と、出迎えた家族や漁業関係者でにぎわった。

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受け、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出されている浪江町の請戸漁港に25日、相馬双葉漁協請戸地区所属の漁船が約6年ぶりに戻った。大漁旗をはためかせた漁船を家族や関係者が迎え、漁港が活気づいた。母港への帰還に漁師は「震災前のにぎやかな港を取り戻したい」と思いを口にした。

 請戸漁港は福島第1原発から約6キロ北にあり、原発事故で町全域の避難指示が続くため、所属漁船は南相馬市鹿島区にある真野川漁港に係留し、操業していた。25日午前、同漁港を出た漁船26隻が船団を組んで請戸漁港に入った。関係者や家族らが、震災犠牲者に黙とうをささげた。

 自分の漁船で入港した男性(63)は「(港の周りに家がなく)6年前と風景が違った。でも、戻ってきたのだという思いは強くあった。ここで水揚げした魚を東京で取り扱われるのが最終目標」と力強く語る。

 震災前には100隻近く所属していた漁船のうち「沖出し」できたのは約1割。ほかは修繕するなどしてこの日を迎えた。男性は震災当時、沖出しを諦め、家族の元に避難し難を逃れた。父の漁船が入港するのを見守った長女の団体職員(31)は「船を見た瞬間にあっという間に震災前に戻ったような気分になった。父も元気な限り、海に出て活躍してほしい」と願う。

 相双漁協請戸地区は、県が2013(平成25)年10月から進めている請戸漁港の岸壁の復旧工事がほぼ終了したことなどから、帰港を決めた。県によると、同漁港の復旧は約50%。18年度中の完成を目指している。

 地区代表を務める男性(69)は「請戸に戻ってきたのは感慨深い。岸壁は利用できるが、それ以外の施設はまだまだ。頑張っていきたい」と語った。